ストーンサークルの殺人(M.W.クレイヴン)のあらすじと感想|ゴールド・ダガー受賞作

ストーンサークルの殺人(M.W.クレイヴン)のあらすじと感想|ゴールド・ダガー受賞作品。

「ストーンサークルの殺人」(M.W.クレイヴン)とは

「ストーンサークルの殺人」とは、著者M・W・クレイヴンが書いたワシントン・ポーシリーズの1巻です。
この作品は英国ミステリの「ゴールド・ダガー」を受賞した作品で、ミステリー小説としてかなり面白い作品でした。
刑事タッグものが好きな方は絶対ハマると思います。

今回はこちらの作品の感想を語っていこうと思います!

ワシントン・ポーシリーズの読む順番について

ワシントン・ポーシリーズの読む順番については以下の記事でご紹介しています。よろしければご覧ください。
ワシントン・ポーシリーズ(M.W.クレイヴン)の読む順番一覧|英国ミステリーの最強作 ワシントン・ポーシリーズ(M.W.クレイヴン)の読む順番一覧|英国ミステリーの最強作

「ストーンサークルの殺人」のあらすじ

あらすじ

イギリス、カンブリア州のストーンサークルで次々と焼死体が発見された。

マスコミに「イモレーション・マン」と名付けられた犯人は死体を猟奇的に損壊しており、三番目の被害者にはなぜか、不祥事を起こして停職中のNCA(国家犯罪対策庁)の警察官「ワシントン・ポー」の名前と「5」の字が刻み付けられていた。

身に覚えのないポーは上司の判断で停職を解かれ、捜査に合流することに。
そして新たな死体が発見され……英国推理作家協会賞最優秀長篇賞ゴールドダガー受賞作。

とある事件によって停職を受けていた警察官のポーが復帰し、連続殺人事件を調査する話です。

事件は、各地のストーンサークルで焼死体を地元の住民が発見し、死体にはかなり残酷な跡が残されており、被害者は60代以上の男性でした。

この被害者に共通が見当たらず捜査は難航するのですが、とある死体の肌にポーの名前が刻まれていました。
そこからポーが招集された、という流れです。

一見普通のミステリーものなんですが、構成が非常によく練られた優秀な作品でした。以下から語ります!

「ストーンサークルの殺人」の感想(ネタバレあり)

初めて読む著者さんでしたが、かなり面白かったです!
今まで古典ミステリーをよく読んでいたんですが、現代ミステリーとしてはかなり良くできていたと思います。

面白かった理由としては、以下の三つです。

・調査描写がとても丁寧でわかりやすい
・キャラクターがとても魅力的
・物語として読み応え抜群の構成

以下から気になった点を語っていきます。

調査描写が面白い!

ミステリーとしてはよくある、警官が事件の調査を進めていく形式です。

大抵この手の作品は中だるみする時がありますが、この作品は全く違います。
調査工程が丁寧に描かれており、主人公のポーが一つ一つの手掛かりを順番に繋げて真実に辿り着くまでの流れ、そして最後の結末までが良かったです。抜群のストーリー展開と構成力で素晴らしかった。

今回の事件はフーダニットがメインなんですが、途中までは被害者同士の関連性が見当たりません。
しかしあるチャリティーで見つけた招待状を境に、被害者の関連する事実を見つけます。(p.293)

そこから一気に物語が進んでいき、ポーたちが事件現場などから推測し、犯人を知ります。
そして最後は壮絶な事実が明らかになります。

ミステリー好きなら被害者の状況より犯人の過去がわかるかもしれません。というかそこはわざと犯人が分かりやすくしたのかもしれないです。

通常だと、犯人などを見つけたらひと段落ですが、この作品は最後が肝心です。
ようは、最後までみんな犯人の手のひらの上に踊っていた、という事実が真実になります。

非常に頭のキレる犯人で、本当に最後は驚きました。ショックすぎて言葉が出ませんでした。

まるで、エラリークイーンの「十日間の不思議」の犯人のようでした。
主人公が意のままに操られたという点では、同じですね。
ただ、実際のところ相手を相当信頼していないとできないほど運任せのやり方だと思います。

十日間の不思議」では他人同士、今回の作品では親友同士、と設定違いでしたので信頼関係があるほうが書きやすかったのかなと想像します。

タイトルについて

実はこの作品の原題は「the puppet show」というタイトルなんですが、操り人形劇という意味です。

最後まで読んだ方なら察しがつくと思いますが、非常に秀逸なタイトルづけです。むしろなんで翻訳タイトルはストーンサークルの殺人にしたのでしょう。

もしかしたら、イモレーションマンの事件と犯人の事件の2つの意味を込めたタイトルかもしれません。もしくはネタバレを恐れて。
でも原題のほうが秀逸なタイトルでいいと思うんですけどねー個人的には残念。

キャラクターが魅力的すぎる!

この作品の面白さを支えているのは、魅力的なキャラクターたちです。
特にお気に入りが、主人公のポー、天才のティリー、同じく頭が切れるリード、の三人です。

まずポーは気持ちがいいほど直感的で、情熱的な中年の警官です。
昔にいじめの経験があったようで、ティリーに対してのいじめを力で分からせるほど絶対に許しません。

かなり過激的なポーですが、最後はリードに不正を許せない人間だと言われています。
不正という言葉が正しく翻訳されているのか不明ですが、少なくとも悪を許さないタイプなのはわかります。
※不正を許さないだと、警官として破った規律などは不正に値するのでは…?という理由です。

ポーが主人公としてすごく魅力的で、共感力の高いところが高評価でした。

次に天才のティリーは、これまた可愛い世間知らずの若い女性です。
ですが、今回の事件はほとんど彼女のバックアップのおかげで証拠を見つけられたのではないかなと思うほど、活躍していました。
最後の泥だらけになりながらもポーを助ける彼女はまさにスーパーヒロインでした。

最後に頭のキレるリードです。
読んでる時、気が良い奴だし、ポーを助けてくれるしで密かに気に入っておりました。
しかし彼に隠された事実については、辛すぎて辛すぎてもうどうにかなりそうでした。

北欧系のミステリーも読み慣れてはいるはずなんですが、辛すぎて普通に泣きました。ミステリーで泣いたことないのに!

最後の焼死体は船長であってくれと願います。

まとめ

この作品は私のお気に入りのシリーズに認定されました。
英国ではすでに5作目に突入しているみたいで、翻訳が待ちきれません。

今後、ポーとティリーのタッグ?がどう活躍していくか楽しみです!