スウェーデン館の謎(有栖川有栖)のあらすじと感想|国名シリーズ2巻目

スウェーデン館の謎(有栖川有栖)のあらすじと感想|国名シリーズ2巻目

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「スウェーデン館の謎」(有栖川有栖)とは

「スウェーデン館の謎」とは、1995年に著者の有栖川有栖さんが書いた、名探偵火村シリーズの国名シリーズ2巻目です。

こちらはタイトルに国名が付いてることから、「国名シリーズ」とも言われています。
別に内容が繋がっているわけでもないので、どこから読んでも問題ありません。

今回は「スウェーデン館の謎」の感想を語っていきたいと思います!

火村英生シリーズについて

火村英生シリーズ(作家アリスシリーズ)の読む順番については以下でご紹介しています。

【最新版】火村シリーズ(有栖川有栖)の読む順番一覧|別名「作家アリスシリーズ」
【最新版】火村シリーズ(有栖川有栖)の読む順番一覧|別名「作家アリスシリーズ」




「スウェーデン館の謎」のあらすじと登場人物

あらすじ
取材で雪深い裏磐梯を訪れたミステリ作家・有栖川有栖はスウェーデン館と地元の人が呼ぶログハウスに招かれ、そこで深い悲しみに包まれた殺人事件に遭遇する。

臨床犯罪学者・火村英生に応援を頼み、絶妙コンビが美人画家姉妹に訪れたおぞましい惨劇の謎に挑む。
大好評〈国名シリーズ〉第2弾! 長編ミステリ。

今回、ミステリ作家のアリスは取材のために福島県の磐梯山(ばんだいさん)に訪れ、そこでスウェーデン館と呼ばれる場所と出会います。
そこに住まう人々と仲良くなったのですが、ある朝住民の一人が頭を殴られた状態で亡くなっているのを離れで発見されました。
そして同時に煙突が折れているという不可解な状況で、事件は幕を開けます。

一体誰がどうやって犯行に及んだのか?動機は一体なんなのか?
アリスの迷推理が冴えわたります!(火村も登場します)

登場人物

火村英生:臨床犯罪学者
有栖川有栖:火村の友人、推理作家

迫水春彦:ペンション・オーナー
迫水倫代:春彦の妻
迫水大地:倫代の息子

乙川リュウ:童話作家
乙川ヴェロニカ:リュウの妻
乙川流音(ルネ):ヴェロニカの亡き息子
乙川育子:リュウの母
ハンス・ヨハンソン:ヴェロニカの父

葉山悠介:リュウの従弟

綱木淑美:画家
綱木輝美:淑美の妹。画家

等々力末臣:建設会社社長

島野:福島県警警部
小山内:福島県警刑事

ドラマも面白い!

臨床犯罪学者・火村英生の推理
引用:臨床犯罪学者・火村英生の推理

このシリーズはドラマ化もされています。
個人的にめちゃくちゃ面白くて大好きなので、ぜひ見てほしいです!!
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火村シリーズのドラマを見る(Hulu)




「スウェーデン館の謎」の感想(少々ネタバレ)

なかなか面白かったです。
なんで雪の中で起こる事件はこうも面白いのか、と毎回読むたびに思うのですが、今回もやはり”雪の足跡”が鍵でした。
以下詳細に語ります。

トリックが見事!

今回の事件は、離れで画家の綱木淑美が亡くなっていたのがきっかけです。

事件関係者は母家にいたのに、なぜか彼女だけが離れで亡くなり、煙突も折れ曲がっていました。
そして重要なのは、離れに向かったはずの犯人の雪の足跡がない、ということです。残る足跡は全てアリバイがある人物の足跡ばかり。

この雪の足跡トリックが、今回一番面白かったです!
タネを明かされてみれば非常に単純ですが、シンプルでよくできていました。
ようは足跡をつける時間と、その足跡が大は小をかねる、ということでした。(詳しくは読んでみてください。)

雪の足跡トリックといえば、個人的に好きなのが横溝正史の「本陣殺人事件」です。

名探偵の金田一耕助シリーズ1巻目なんですが、事件現場の庭が一面雪で覆われ、足跡ひとつもなかったことから密室殺人となりました。(これもうまくできてたな〜)

【最新版】金田一耕助シリーズ(横溝正史)の読む順番一覧|全28巻完結済み
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「僕にまかせて」という言葉

作中で童話作家のリュウが絵本でも書いたように「僕にまかせて」という言葉が何回か出てきます。
絵本では、主人公に変わってお助けキャラが「ぼくにまかせて」と言いながら主人公を何度か助けます。
そのシーン自体は全然いいのですが、最後に作家のリュウも愛する人を助けるために、同じような行動をします。

彼の理念的には愛するもの=自分の手で守るもの、という考えに基づいていますが、結局それは彼のエゴでしかないなと感じました。

ちょっとここで違和感があったのが、火村さんも彼のやり方に強く同意した、というシーンです。
火村さんはやはり過去に何かあったようで、恐らく愛する人を救えなかった過去があったんじゃないかな〜と予想しています。両親か、恋人か・・・

それでも私は作家リュウの行動や、犯人の行動はどうも気持ち悪くて仕方がなかったです。口先だけな感じ。
この違和感のすごさは、日本の小説ならではの感覚だなと思いました。海外小説だとこんな情緒に溢れた感じはない気がする。

恋するアリス

今回は珍しく、人妻のヴェロニカに憧れる一面が出たアリスですが、ちょっと切なかったです。
恐らくヴェロニカがよほどの美人だったのでしょうが、相手が人妻だから言い寄らなかったのは誠実な男ですね。

結局、今回の事件から6年経ってもスウェーデン館に火村とアリスは訪れなかったと書いてあったので、いろいろと傷心していたんだなあと切ない最後でした。

宮部みゆきさんの解説が熱い!!

宮部さんが火村シリーズの大ファンだということをあとがきにて初めて知りました。
いち読者として、めちゃくちゃ熱く語っていてそんな一面があるんだ〜とかわいらしかったです。

特に、火村先生が過去に誰かを殺そうと思ったことがあるエピソードについて、「絶対女が絡んでるでしょ!」と著者の有栖川さんに問い詰めたくだりは笑ってしまいました。
個人的に殺そうと思った相手は肉親だったりするかな〜と予想しているのですが、果たして答え合わせできる時が来るのでしょうか・・・

ちなみに宮部さんの小説も面白いのでぜひ!!

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まとめ

今回も雰囲気が良くて面白かったです。
やっぱこういう雪景色の中で起こる、情緒的なミステリーがいいんですよ!!どこか懐かしい感じがして、ぐいぐい読めちゃう!

まだ読んでない人はぜひ読んでみてください。

ちなみにエラリーの国名シリーズも面白いので、ぜひ読んでみてくださいね!!!

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