ロシア紅茶の謎(有栖川有栖)のあらすじと感想|国名シリーズ1巻目

「ロシア紅茶の謎」(有栖川有栖)とは

「ロシア紅茶の謎」とは、1994年に著者の有栖川有栖さんが書いた、名探偵火村シリーズの短編集1です。

こちらはタイトルに国名が付いてることから、「国名シリーズ」とも言われています。
別に内容が繋がっているわけでもないので、どこから読んでも問題ありません。

今回は「ロシア紅茶の謎」の感想を語っていきたいと思います!

火村英生シリーズについて

火村英生シリーズ(作家アリスシリーズ)の読む順番については以下でご紹介しています。

【出版順】火村シリーズ(有栖川有栖)の読む順番一覧|別名「作家アリスシリーズ」
【出版順】火村シリーズ(有栖川有栖)の読む順番一覧|別名「作家アリスシリーズ」




「ロシア紅茶の謎」のあらすじと登場人物

あらすじ
作詞家が中毒死。彼の紅茶から青酸カリが検出された。どうしてカップに毒が?
表題作「ロシア紅茶の謎」を含む粒ぞろいの本格ミステリ6篇。エラリー・クイーンのひそみに倣った〈国名シリーズ〉第1作品集。

奇怪な暗号、消えた殺人犯人に犯罪臨床学者・火村英生とミステリ作家・有栖川有栖の絶妙コンビが挑む!

こちら全6作品入ってる短編集です。

どの作品もすぐに読めるのでおすすめなんですが、最後の「八角形の罠」だけ”読者への挑戦”形式になっています。(エラリークイーンみたいな)
なんかの企画で書いたミステリーらしいのですが、ぜひ挑戦してみてください〜!

No.タイトル
1動物園の暗号
2屋根裏の散歩者
3赤い稲妻
4ルーンの導き
5ロシア紅茶の謎
6八角形の罠

登場人物

火村英生(ひむら ひでお):臨床犯罪学者

有栖川有栖(ありすがわ ありす):火村の友人、推理作家

ドラマも面白い!

臨床犯罪学者・火村英生の推理
引用:臨床犯罪学者・火村英生の推理

このシリーズはドラマ化もされています。
個人的にめちゃくちゃ面白くて大好きなので、ぜひ見てほしいです!!
Huluなら2週間見放題(無料)なので、無料期間以内に見ることをお勧めします。

火村シリーズのドラマを見る(Hulu)




「ロシア紅茶の謎」の感想(少々ネタバレ)

いいクオリティの短編集でした。
やっぱり長編が面白い人は短編でも面白いんだなーと再認識しました。
その中でも好きな短編3つを挙げてみたいと思います。一番は「ロシア紅茶の謎」ですかね。

屋根裏の散歩者

タイトルだけずっと気になっていました。江戸川乱歩が好きな人にはオマージュだなとすぐ気づくと思います。(江戸川乱歩の「屋根裏の散歩者」)

あるアパートの家主の死体が発見され、火村とアリスが調査をし始めるんですが、家主が日記をつけていたのを見つけます。
その日記から家主が江戸川乱歩の小説ごとく、屋根裏から他の部屋を渡り歩いていることが発覚しました。(アパートの住人、全員男でよかった・・・)

どうやら家主が悪趣味なことをやっている最中に、アパートの住人の誰かの弱みを握ったそうです。ただし日記に住人の名前は書いてなく、暗号のようなものが書いてありました。

この暗号がですね、めっちゃ面白かったです。くだらなくてちょっと可笑しかったです。でもよくできてる!
完全に著者のお遊びだと思いますが、江戸川乱歩の「屋根裏の散歩者」をこのようにオマージュしたのは上手かったです!

ロシア紅茶の謎

これもかなり面白かったです。
作詞家がパーティの中、青酸カリで亡くなってしまった事件で、誰が紅茶に毒を入れたのかという謎が見どころです。

実際、犯行ができるかどうかは難しい話ですが、このトリックはめちゃくちゃ面白かったです。
毒入れのトリックといえば、マープルの「鏡は横にひび割れて」とかもいろいろありますが、今回のやつはよく出来てますね〜

ちなみにロシア紅茶って、いちごジャムなどが入った紅茶だそうです。
ミルクやクリームは入れず、食後に飲むようです。詳しくはこのサイトが紹介しているので、よかったら。(ロシアンティーの謎

八角形の罠

舞台稽古中に、俳優の一人が殺されました。
数分間、停電した間に犯行を及んだのですが、一体誰がやったのか、どうやったのかを読者へ挑戦しています。

自分でも結構考えた結果、犯人は分かったのですが犯行方法が意表をつかれたものでした。まさか・・・
結構面白かったので、私もそういうミステリーイベントがあったら参加してみたいなと思いました。




まとめ

今作も中々粒揃いの短編が揃っていて、有栖川先生ファンは必読です!
エラリークイーンの国名シリーズと同じようなタイトルづけして、作中でも国名が登場するのがオマージュしてて遊び感満載ですね。

ちなみにエラリーの国名シリーズも面白いので、ぜひ読んでみてくださいね!!!

【続編あり】国名シリーズ(エラリークイーン)の読む順番一覧|永遠の名作ミステリーシリーズ
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