アガサ・クリスティ「名探偵ポアロシリーズ」の読む順番は?全42巻をご紹介

アガサ・クリスティ「名探偵ポアロシリーズ」の読む順番は?全42巻をご紹介

名探偵ポアロシリーズの読む順番は?(全42巻/完結済み)

ぶくおくんぶくお
ポアロシリーズは1巻ずつ完結するから、どれから読んでも大丈夫!ただ「カーテン」を読むときは、ある程度ポアロ作品を読んだ後に読むと面白いよ!

このシリーズは、順番に読まなくても問題はありません。
ただ、以下の刊行順に読むと「あの事件の後〜」など前後の巻で登場した事件に触れる時があります。また、クリスティの全盛期がどの巻の時なのか、読み比べる面白さもありますので、ご興味あればぜひ!

どれから読んでいいかわからない方は、まず「オリエント急行の殺人」と「ナイルに死す」らへんを読んでみてください。わかりやすくてどなたでも楽しめると思います!
その他にもおすすめ作品を以下の記事でご紹介しています。→アガサ・クリスティ全作品のおすすめはこちら。

ちなみに「早川書房」さんの翻訳本がおすすめです。誤訳が少なく、安定して楽しめます。以下の一覧表は、全て早川書房さんでまとめています。

No. タイトル 出版年 聴く読書(オーディブル)
1 スタイルズ荘の怪事件 1920 Audible版
2 ゴルフ場殺人事件 1923
中短編 ポアロ登場 1924
3 アクロイド殺し 1926 Audible版
4 ビッグ4 1927
5 青列車の秘密 1928
6 邪悪の家 1932
7 エッジウェア卿の死 1933
8 オリエント急行の殺人 1934 Audible版
9 三幕の殺人 1935
10 雲をつかむ死 1935
11 ABC殺人事件 1935 Audible版
12 メソポタミヤの殺人 1936
13 ひらいたトランプ 1936
中短編 死人の鏡 1937
14 もの言えぬ証人 1937
15 ナイルに死す 1937 Audible版
16 死との約束 1938
17 ポアロのクリスマス 1938
中短編 黄色いアイリス 1939
18 杉の柩(すぎのひつぎ) 1940
19 愛国殺人 1940
20 白昼の悪魔 1941
21 五匹の子豚 1943
22 ホロー荘の殺人 1946
中短編 ヘラクレスの冒険 1947
23 満潮に乗って 1948
中短編 愛の探偵たち 1950
中短編 教会で死んだ男 1951
24 マギンティ夫人は死んだ 1952
25 葬儀を終えて 1953
26 ヒッコリー・ロードの殺人 1955
27 死者のあやまち 1956
28 鳩のなかの猫 1959
中短編 クリスマス・プディングの冒険 1960
29 複数の時計 1963
30 第三の女 1966
31 ハロウィーン・パーティ 1969
32 象は忘れない 1972
33 カーテン 1975
中短編 マン島の黄金 1997
34 ブラック・コーヒー(戯曲)
※アガサ・クリスティ著ではない
1997
番外 アガサ・クリスティーの秘密ノート(上・下)
※クリスティの創作秘話
2010

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1巻 スタイルズ荘の怪事件

あらすじ

旧友の招きでスタイルズ荘を訪れたヘイスティングズは到着早々事件に巻き込まれた。

屋敷の女主人が毒殺されたのだ。調査に乗り出すのは、ヘイスティングズの親友で、ベルギーから亡命したエルキュール・ポアロだった。

不朽の名探偵の出発点となった著者の記念すべきデビュー作。

ポアロデビュー1作目の作品です。彼がベルギーから亡命して、後に相棒となるヘイスティングズと再会する回です。

事件自体は他の名作であるアクロイド殺しやオリエント急行のような派手さはありません。ですが、最初から最後まで緻密に組み立てられたプロットの上に得意の人物描写のリアルさが表現されているので、とても面白い作品です。

個人的にお気に入りの巻。

2巻 ゴルフ場殺人事件

あらすじ

南米の富豪ルノーが滞在中のフランスで無惨に刺殺された。

事件発生前にルノーからの手紙を受け取っていながら悲劇を防げなかったポアロは、プライドをかけて真相解明に挑む。

一方パリ警視庁からは名刑事ジローが乗り込んできた。

たがいを意識し推理の火花を散らす二人だったが、事態は意外な方向に……。

前作のスタイルズ荘の怪事件と同様、ヘイスティングズとタッグを組んで事件の謎を解きます。

途中でヘイスティングズがやらかす(主に女性で・・・)のですが、それもいいユーモアさがあって、最後の謎解きに盛り上がりを助長してくれます。読者はこの人・・・とヘイスティングズに呆れるかもしれませんが。

事件が交差し、人間関係もかなり複雑になって読みにくいかもしれませんが、ぜひ挑戦してみてください。

ポアロ登場(短編集)

あらすじ

おしゃれで、潔癖で、自負心が強く、小柄な体格で風変わりなベルギー人が、“灰色の脳細胞”を駆使して、次々と難事件を解決する…

いまや世界に知らぬ人のない名探偵エルキュール・ポアロが、よき相棒のヘイスティングズとともに14の謎に挑む!

ミステリ史上屈指の名コンビが活躍する最初の短篇集。新訳で登場。

こちらは全14篇の短編が入った作品です。

ポアロを初めて読む方には面白く、ポアロを既に読んでる方には口調に違和感を持たれるかもしれません。それでもサラッと読めてスッキリするタイプの作品集です。

個人的には、最後の短編「チョコレートの箱」(ポアロがベルギー警官時代の失敗談の話)がお気に入りです。「エジプト墳墓の謎」や「首相誘拐事件」も素晴らしい出来です。

短編こそがアガサ・クリスティの真骨頂と言えます。

3巻 アクロイド殺し

あらすじ

深夜の電話に駆けつけたシェパード医師が見たのは、村の名士アクロイド氏の変わり果てた姿。

容疑者である氏の甥が行方をくらませ、事件は早くも迷宮入りの様相を呈し始めた。

だが、村に越してきた変人が名探偵ポアロと判明し、局面は新たな展開を…

驚愕の真相でミステリ界に大きな波紋を投じた名作が新訳で登場

この作品は言わずもがなで、ファンの間では絶賛されている名作です。オリエント急行と同じくらい有名だと思います。

絶対にネタバレを読まずに読んでいただきたい作品です。ぶっちゃけあらすじすらも読んでほしくありません。

ミステリー好きからすると、有名なトリックを使っているので途中で気がついてしまうかもしれませんが、有名なトリックの元祖はこの「アクロイド殺し」です。当時読んだ人は衝撃で夜も寝られなかったことが想像つきます。

ああ、できることならこの作品が出版された時に読みたかった・・・。もう一回記憶をなくして読みたい作品です。

4巻 ビッグ4

あらすじ

ポアロの家に倒れ込んできた男はうわの空で数字の4を書くばかり――国際犯罪組織〈ビッグ4〉と名探偵の対決はこうして幕を開けた。

証人を抹殺し決して正体をあらわさない悪事の天才四人を追って、大陸へ渡ったポアロを恐るべき凶手が待ちうけていた。新訳で贈る波瀾万丈の冒険と驚愕の結末!

元は短編だったものをくっつけた長編みたいな作品です。

ミステリー要素はあまり多くなく、ほとんどドラマみたいな物語になってます。物語がポアロvsビッグ4という敵と対決する話なので、ワクワクする人はいると思います。私がそうでした。

ミステリー好きには物足りない作品ですが、エンタメ小説としては面白いので、ポアロシリーズの閑話として読んでみてください!

5巻 青列車の秘密

あらすじ

走行中の豪華列車内で起きた陰惨な強盗殺人。警察は被害者の別居中の夫を逮捕した。

必至に弁明する夫だが、妻の客室に入るところを目撃されているのだ。

だが、偶然同じ列車にのりあわせたことから、事件の調査を依頼されたポアロが示した犯人は意外な人物だった! 初期の意欲作が登場。

この巻は、私の個人的好みが詰まってる作品です。ロマンスあり、ミステリーも文句なしのバランスが良い作品です。

冒頭で怪しげな描写が始まっていかにもこれから事件が起こるよという序章、そしてポアロはしばらく登場しないので、一体誰が犯人なんだとやきもきさせられること間違いなしです。

ロマンスが入ってるので好みは分かれるかもしれませんが、ミステリーだけでなく物語も楽しみたい方向けにおすすめの作品です。

6巻 邪悪の家

あらすじ

名探偵ポアロは保養地のホテルで、若き美女ニックと出会った。

近くに建つエンド・ハウスの所有者である彼女は、最近三回も命の危険にさらされたとポアロに語る。

まさにその会話の最中、一発の銃弾が……ニックを守るべく屋敷に赴いたポアロだが、五里霧中のまま、ついにある夜惨劇は起きてしまった!

こちらもかなり読み応えある作品です。ある時、美女のニックが命を狙われてると知り、ポアロはとヘイスティングズは阻止すべく調査に乗り出します。

しかし、ある夜に何故かニックのいとこが殺害されてしまいます。

最後まで目が話せない物語の展開に圧倒されること間違いなしです。変に期待させたら良くないとは思いますが、最後の急展開には驚くと思います。(私はびっくりしすぎて、読後は呆然としてました。)

7巻 エッジウェア卿の死

あらすじ

カーロッタは人気女優ジェーンのものまねで、ポアロを含む多くの観客を魅了した。

奇しくもジェーン当人が、ポアロに奇妙な依頼をしてきた。

離婚を拒む夫の男爵をなんとか説得してほしいというのだ。

純粋な興味からこの依頼を快諾したポアロ。が、数日後その男爵が謎の死を遂げてしまう……。

この作品も素晴らしく面白い作品です。他の作品とは違ってあまり有名ではないのですが、この頃のアガサ・クリスティは本当に上手いです。

とある時、夫と離婚したかった夫人のジェーンがポアロに依頼をしてきます。しかし何故かその夫が亡くなります。そうすると動機として一番に疑われるのがジェーン夫人なんですが、ここから自体は混迷していきます。

果たして犯人は夫人なんでしょうか?それとも別の人間なんでしょうか?最後に明かされる犯人の手記(日記)には鳥肌がたつと思います。

8巻 オリエント急行の殺人

あらすじ

真冬の欧州を走る豪華列車オリエント急行には、国籍も身分も様々な乗客が乗り込んでいた。

奇妙な雰囲気に包まれたその車内で、いわくありげな老富豪が無残な刺殺体で発見される。

偶然乗り合わせた名探偵ポアロが捜査に乗り出すが、すべての乗客には完璧なアリバイが……ミステリの魅力が詰まった永遠の名作。

有名すぎて誰もが一度は聞いたことがあるタイトルだと思います。オチもご存知の方が多いかもしれません。

ですが何度読んでも新たな発見があって、とても面白いミステリー作品です。衝撃を受けたほどの大胆不敵なトリックです。

かの名作「そして誰もいなくなった」とはまた別の衝撃が味わえる作品です。映画も素晴らしいのでぜひご覧ください。

→オリエント急行殺人事件 (字幕版)|amazonプライムビデオより

9巻 三幕の殺人

あらすじ

引退した俳優が主催するパーティで、老牧師が不可解な死を遂げた。

数カ月後、あるパーティの席上、俳優の友人の医師が同じ状況下で死亡した。

俳優、美貌の娘、演劇パトロンの男らが事件に挑み、名探偵ポアロが彼らを真相へと導く。ポアロが「名助演ぶり」をみせる推理劇場。

こちらの作品も中々に物語の構成が上手く、あれよあれよという間に演劇仕立ての構成である第一幕〜第三幕まであっという間に読んでしまいました。

今回はポアロが「照明係」で、出番は少ないのですが最後の謎解きは堂々たるもので圧巻でした。

ただ、前作のオリエント急行を読んだ後にこの作品を読むと、前作が凄すぎて印象が薄いというのが個人的な感想です。(なんてもったいない!)

10巻 雲をつかむ死

あらすじ

パリからロンドンに向かう定期旅客機が英仏海峡にさしかかった時、機内を蜂が飛びまわり始めた。

乗客の一人が蜂を始末したが最後部席には老婦人の変死体が。

そしてその首には蜂の毒針で刺されたような痕跡が残っていた……

大空を飛ぶ飛行機という完全密室で起きた異様な事件。居合わせたポアロが調査を開始する。

クリスティ作品の中では、割と地味な作品に位置づけられる今作。
ですが、この頃はちょうどクリスティ女史がノリに乗ってる黄金期なので、ミスリードはお手の物です。ばっちり騙されました。

ただちょっとトリックには無理があるのでは・・・と思うようなものなので、一度読んでみると面白いと思います。前作の「三幕の殺人」とちょっと似てるところがあります。

11巻 ABC殺人事件

あらすじ

ポアロのもとに届いた予告状のとおり、Aで始まる地名の町で、Aの頭文字の老婆が殺された。

現場には不気味にABC鉄道案内が残されていた。

まもなく、第二、第三の挑戦状が届き、Bの地でBの頭文字の娘が、Cの地でCの頭文字の紳士が殺され……。

「オリエント急行の殺人事件」と並ぶ名作がやってまいりました。この作品も好きで何度も読みましたが、素晴らしいの一言につきます。

途中で犯人らしき人の描写が挟まれており、読者に「この人が犯人じゃないか?」という考えを固定するようで、惑わすところがいいスパイスとなっています。果たしてどちらでしょうか?

頭文字がキーとなっていますが、いわゆる「ミッシングリンク(共通点が見えない)」ものです。連続殺人事件が起こっていて、被害者の共通点が見えず犯人に検討がつかない状態です。

ミッシングリンクものと言えば、有名なものですとエラリー・クイーンの「九尾の猫」や横溝正史の「悪魔の手毬唄」とかあります。どちらもクリスティとは違う書き方をしていて、かなり面白いです。(好みは九尾の猫です。)

12巻 メソポタミヤの殺人

あらすじ

考古学者と再婚したルイーズの元に死んだはずの先夫から脅迫状が舞い込んだ。

さらにルイーズは寝室で奇怪な人物を見たと証言する。だが、それらは不可思議な殺人事件の序曲にすぎなかった……

過去から襲いくる悪夢の正体をポアロは暴けるか? 中近東を舞台にした作品の最高傑作。

こちらの事件は「オリエント急行の殺人事件」の一週間前の事件になります。看護婦レザランの手記形式をとっていて、面白い趣向です。

第三者視点で物語が語られていくんですが、人物描写が巧みで面白いくらいに思い込みをしてしまう作品でもあります。犯人はいつもどおり当てられませんでした。凄すぎる。

今回は密室での殺人事件なんですが、どこはかなくジョン・ディクスン・カーの作品を彷彿とさせます。あの人も密室ばっかり書いてるからな〜。

ここまで順番に読んだ方は、巻を増すごとにクリスティ作品の面白さが増してることに気づいた方もいらっしゃるんじゃないでしょうか?
個人的な感想ですが、1巻からココらへんまでがアガサ・クリスティの黄金期ではないかと感じています。勢いがある作品が非常に多い印象です。

13巻 ひらいたトランプ

あらすじ

名探偵ポアロは、夜ごとゲームに興じ悪い噂の絶えぬシャイタナ氏のパーティによばれた。

が、ポアロを含め八人の客が二部屋に分れてブリッジに熱中している間に、客間でシャイタナ氏が刺殺された。

しかも、客たちは殺人の前科をもつ者ばかり……ブリッジの点数表を通してポアロが真相を読む。

今回は「ブリッジ」というカードゲーム中に起こる殺人事件です。
ブリッジを知ってる人がいれば更に面白いと思うのですが、知らなくとも存分に楽しめます。

巧みに読者を誘導しながら最後の種明かしで衝撃を与えるという、クリスティの手腕が光っている隠れた名作でもあると思います。シンプルがゆえに面白いです。

死人の鏡(短編集)

あらすじ

謀略の犠牲になりかねないと調査を頼まれたポアロは、依頼人の准男爵邸へ向かった。

が、待っていたのは密室での依頼人の死。自殺に見えるが動機は不明。また謀略とは?

解決の手がかりは意外にも書斎の割れた鏡にあった。

密室の謎に挑む表題作をはじめ、ポアロ活躍の四篇を収録する傑作集。

4つの中短編が入ってます。別の短編集「ポアロ登場」よりも更に磨きがかかった作品が揃っているので、こちらも読んでほしいです。

特に「砂にかかれた三角形」が圧倒的に面白いし、騙されました。名作と並ぶほどの出来栄えです。

その他だと「謎の盗難事件」もとても良く出来た作品でした。書斎からある重要な機密書類が盗まれてしまうのですが、ポアロを読んで書類を見つけてもらう話です。

14巻 もの言えぬ証人

あらすじ

ポアロは巨額の財産をもつ老婦人から命の危険を訴える手紙を受け取った。

が、それは一介の付き添い婦に財産を残すという問題のある遺言状を残して彼女が死んだ二カ月後のことだった。

ポアロとヘイスティングズは、死者からの依頼に答えるとともに事件に絡むテリアの「ボブ」の濡れ衣を晴らす。

この作品も読み応えがあります。最後まで著者に踊らされた印象が強いです。

久しぶりにヘイスティングズが一緒に調査していて、和んだもつかの間、「こらこら・・・」と読者を呆れさせる行動も健在しています。面白いからいいんですけどね・・・。

物語は海外ドラマみたいな展開で、最後まで一直線で読めてしまうほど面白いです。そもそも死後に亡き老婦人から手紙が来る時点でワクワクさせます。

ただ、この翻訳はちょっと所々おかしいので、新訳が出てほしいなと思ってます。(あんたって呼び方が古い・・・)

15巻 ナイルに死す

あらすじ

美貌の資産家リネットと夫サイモンのハネムーンはナイル河をさかのぼる豪華客船の船上で暗転した。

轟く一発の銃声。サイモンのかつての婚約者が銃を片手に二人をつけていたのだ。

嫉妬に狂っての凶行か?

……だが事件は意外な展開を見せる。船に乗り合わせたポアロが暴き出す意外な真相とは?

出ました、クリスティ成熟期の名作!2022年に映画化するほどの名作なので、とても面白いです。

「メソポタミア殺人事件」と同じような古代文明がある場所を舞台にしていますが、景色描写がとても素晴らしいです。これだけでもエッセイとかにしてほしいくらい。

今回はナイル河で殺人事件が起こります。他の作品とはまた違って、ロマンスとスリルが味わえる作品です。

個人的には「オリエント急行の殺人事件」と同じくらい、バランスの良い作品だと思って居ます。

16巻 死との約束

あらすじ

「いいかい、彼女を殺してしまわなきゃ……」

エルサレムを訪れていたポアロが耳にした男女の囁きはやがて死海の方へ消えていった。

なぜこうも犯罪を連想させるものにぶつかるのか?

そんな思いが現実となったように殺人は起こった。謎に包まれた死海を舞台に、ポアロの慧眼が真実を暴く。

こちらも名作。前作に引き続き、物語が抜群に面白い作品です。

一人の母親に虐げられる家族の話なんですが、この母親の異常性が際立っており子どもたちがマインドコントロールされかけているのが非常に怖かったです。

そんなギリギリの状態で、ポアロが耳にした不信な言葉。ワクワクする気持ちを掻き立てられる物語です。

家庭内の独裁者、というテーマと類似してるのは、エラリー・クイーンの「靴に住む老婆」ですね。こちらはクリスティとは違う雰囲気ですが、最後に衝撃を受ける素晴らしい作品です。

17巻 ポアロのクリスマス

あらすじ

聖夜に惨劇が!

一族が再会した富豪の屋敷で、偏屈な老当主リーの死体が発見される。

部屋のドアは中から施錠され、窓も閉じているのに、犯人はどうやって侵入したのか?

休暇返上で捜査にあたるポアロは被害者の性格に事件の鍵が隠されていると考えるが……クリスマス的趣向に満ちた注目作。

クリスマスというとキラキラしたイメージですが、ポアロなので血なまぐさいクリスマスです。もちろん!

密室殺人、莫大な遺産相続問題、一族の人間関係のドロドロさ・・・これでもかというほどミステリー向きの要素がてんこ盛りになっています。(クリスマスだから豪華なのかな?)

始終犯人がわからなくて、最後はこの人か!と驚きました。謎解きまでの話の持っていき方と展開がいつもどおり上手いです。

黄色いアイリス(短編集)

あらすじ

四年前に死んだ妻の追憶のための晩餐会に出席してほしい――

ある富豪から依頼されポアロが赴いた場所では、昔と同じ状況が繰り返され、テーブルには依頼人の義妹の死体が……

表題作をはじめ、ポアロもの五篇、マープルもの一篇、パーカー・パインもの二篇、幻想小説一篇を収録する珠玉の短篇集。

全9つの短編が収録されています。今回ポアロは、5つの短編で登場しています。

・バグダッドの大櫃の謎
・あなたの庭はどんな庭?
・黄色いアイリス
・船上の怪事件
・二度目のゴング

特に面白かったのが、「黄色いアイリス」と「船上の怪事件」ですね。どちらもポアロの灰色の脳細胞が冴え渡る事件です。
実は「黄色いアイリス」はこの後長編「忘られぬ死」としてリメイクされます!ただし、探偵役はポアロではないのでご注意ください。

18巻 杉の柩(すぎのひつぎ)

あらすじ

婚約中のロディーとエリノアの前に現われた薔薇のごときメアリイ。

ロディーが彼女に心変わりし、婚約は解消された。

エリノアの心に激しい憎悪が湧き上がり、彼女の作った食事でメアリイが死んだ。犯人は私ではない!

エリノアは否定するが……嫉妬に揺れる女心を、ポアロの調査が解き明かす。

毎回のことながらキャラクターが魅力的で、とても読み応えあるミステリー小説です。

状況や動機どこから見てもエリノアを犯人と指していて、大変な状況に追い込まれた彼女と事件を調査し始めます。

最後は普通に驚いたので、どなたでも楽しめること間違いなしです。ちなみにロマンスもあるので胸が暖かくなります!

19巻 愛国殺人

あらすじ

歯医者での治療を終えてひと息ついたポアロの許に、当の歯医者が自殺したとの電話が入った。

なんの悩みもなさそうな彼に、自殺の徴候などなかった。

これは巧妙に仕掛けられた殺人なのか?

マザー・グースの調べに乗って起こる連続殺人の果てに、灰色の脳細胞ポアロが追い詰めたものとは?

原題は「one two buckle my shoe.」。こちらは童話(マザー・グース)由来です。

ポアロが通院してた歯医者さんが自殺したことから事件は始まり、次々と他の人も死や行方不明になります。

作中のキャラクターに騙されずに、犯人を当てることができたら素晴らしいです。(私は見事に騙されました)

20巻 白昼の悪魔

あらすじ

地中海の避暑地の島の静寂が破られた。

島に滞在中の美しき元女優が、何者かに殺害されたのだ。

犯人が滞在客の中にいることは間違いない。

だが関係者には、いずれも鉄壁とも思えるアリバイが……難航する捜査がついに暗礁に乗り上げたとき、滞在客の中からエルキュール・ポアロが進みでた!

避暑地と砂浜といえば、名作短編の「死人の鏡 」に収録されてる「砂にかかれた三角形」を彷彿とさせます。

今回もかなり面白い物語になっていて、ものすごく怪しい人物を差し置いて自分の予想だにしなかった人が犯人になっていたりするので、気持ちよく騙されます。

伏線だけでなく、トリックも見事なので読んでみてください!

21巻 五匹の子豚

あらすじ

16年前、高名な画家だった父を毒殺した容疑で裁判にかけられ、獄中で亡くなった母。

でも母は無実だったのです……娘の依頼に心を動かされたポアロは、事件の再調査に着手する。

当時の関係者の証言を丹念に集める調査の末に、ポアロが探り当てる事件の真相とは? 過去の殺人をテーマにした代表作を最新訳で贈る!

今作は、「オリエント急行」や「ABC殺人事件」と並ぶほどファンから愛される作品です。

物語の展開としては、どんどん過去の事件へ遡っていく「回想の殺人」というものです。
いつもながらにキャラクターとダブルミーニングが上手すぎて、最後は驚くこと間違いなしです。ラスト50ページらへんが見ものです。

22巻 ホロー荘の殺人

あらすじ

アンカテル卿の午餐に招かれたポアロを待っていたのは、血を流している男と、その傍らでピストルを手にしたままうつろな表情をしている女だった。

それは風変わりな歓迎の芝居でもゲームでもなく、本物の殺人事件だった!

恋愛心理の奥底に踏み込みながらポアロは創造的な犯人に挑む。

殺人事件が起こった状況が、なんと被害者とそのそばにいた妻がピストルを持っていて、確実に殺人を犯した図になっているのがまず面白いです。
しかし妻が持ってるピストルから殺されたわけではないということもわかってきて、事件は暗礁に乗り上げます。

登場人物がみんな奇妙で、一人一人の心情が事細かく書き分けてるのが素晴らしいです。

他の巻と違って、少し不思議な雰囲気がする小説です。

ヘラクレスの冒険(短編集)

あらすじ

引退をひかえていたエルキュール・ポアロだったが、 十二の難業 に挑むことになった。

「ネメアのライオン」「レルネーのヒドラ」「ケルベロスの捕獲」など、ギリシャ神話がモチーフとなった十二の難事件に、灰色の脳細胞を駆使してポアロが挑む。変わらぬポアロの名推理ぶりを新訳でおくる。

全12編の物語が入ってるんですが、全てヘラクレスの冒険になぞらえて構成されていて、どの話もとても面白いです!

ポアロが探偵業を引退するまで、「ヘラクレスの12難業」になぞらえて12の事件を解決していこう、という話です。

シンプルな謎が多いんですが、雪山の山荘や誘拐などバラエティに富んだ設定ばかりなのでどなたでも楽しめると思います。

23巻 満潮に乗って

あらすじ

大富豪ゴードン・クロードが戦時中に死し、莫大な財産は若き未亡人が相続した。

戦後、クロード家の人々はまとまった金の必要に迫られながら、後ろ盾のゴードンを失くし窮地に立たされる。

“あの未亡人さえいなければ”一族の思いが憎しみへと変わった時……戦争が生んだ心の闇をポアロが暴く。

若い未亡人であるロザリーンと大富豪のゴードンは結婚していましたが、ゴードンが戦死することで莫大な財産を残されることになるロザリーン。
一族の生活費は彼女の了承がないとお金が引き出せないということから、一族との仲が険悪になります。

ありがちな設定ですが、事件が二転三転もして最後は「こうきたか!」というような結末を迎えますので、さすがアガサ・クリスティといったところです。

解説によると、この作品は恋愛小説としても有名だそうです。ロマンスもバッチリあって私はお気に入りだったりします。

愛の探偵たち(短編集)

あらすじ

雪に閉ざされたゲストハウスに電話が。ロンドンで起きた殺人事件の関係で警察が向かっているという。

やがて刑事がやってきて……マザー・グースの調べにのって起こる連続殺人劇、戯曲「ねずみとり」の原作を始め、ポアロ、ミス・マープル、クィンら名探偵たちの推理がきらめく珠玉の短篇集。

全8話収録されている短編集です。ポアロは以下の2つです。あとはマープルとかクイン氏などが登場しています。

・四階のフラット
・ジョニー・ウェイバリーの冒険

本来はラジオドラマである「ねずみとり」を小説家したものが「三匹の盲目のねずみ」で、こちらが表題作でした。世界で長いこと上映されている人気の戯曲でもあります。

どの作品も読み応えあって気軽に読めるので面白いです!

教会で死んだ男(短編集)

あらすじ

踏会の最中に殺された子爵と美貌の婚約者の変死、消失した機密書類の行方、忽然と消えた使用人の謎など、ポアロとヘイスティングズの名コンビが数々の難事件に挑戦する。

ポアロもの11篇のほか、ミス・マープルもの1篇、怪奇もの1篇を収録。クリスティーが短篇の名手ぶりを発揮した傑作集。

こちらは全13作品が収録されており、そのうちポアロは以下の11作品に登場します。

・戦勝記念舞踏会事件
・潜水艦の設計図(「死人の鏡」の「謎の盗難事件」とプロットが同じ)
・クラブのキング
・マーケット・ベイジングの怪事件(「死人の鏡」の「厩舎街の殺人」とプロットが同じ)
・二重の手がかり
・呪われた相続人
・コーンウォールの毒殺事件
・プリマス行き急行列車(「青列車の秘密」とプロットが同じ)
・料理人の失踪
・二重の罪
・スズメ蜂の巣

いくつか似たようなプロットの作品がありますが、発表された年月はこちらのほうが先のようです。これが元なんだと思いながら読んで見ると少し面白いかもしれません。

24巻 マギンティ夫人は死んだ

あらすじ

ポアロの旧友スペンス警視は、マギンティ夫人を撲殺した容疑で間借人の男を逮捕した。

服についた夫人の血というたしかな証拠で死刑も確定した。

だが納得がいっていない警視はポアロに再調査を依頼。

未発見の凶器と手掛かりを求め、現場に急行するポアロ。しかし死刑執行は刻々と迫っていた。

警部から頼まれてマギンティ夫人事件をポアロが再調査する話です。前半は一向に事件が進展せず、やきもきするかもしれませんが、後半から一気に事件が急展開を迎えます。

意外な人間関係を明かされるのも面白いし、他の巻でも登場するオリヴァ夫人がとてもいいキャラクターをしています。

いつもどおりロマンス要素も含んでいますので、お楽しみに!

25巻 葬儀を終えて

あらすじ

リチャードは殺されたんじゃなかったの――アバネシー家の当主リチャードの葬儀が終わり、その遺言公開の席上、末の妹のコーラが口にした言葉。

すべてはその一言がきっかけだった。

翌日、コーラが惨殺死体で発見される。要請を受けて調査に乗り出したポアロが一族の葛藤の中に見たものとは?

だって、リチャードは殺されたんでしょう?

この言葉は殺されたリチャードの末の妹であるコーラが口にしたセリフです。この言葉で物語が一変する場面が非常に印象的です。

いつもながら物語の展開と、巧みに雰囲気を操るのでまんまと驚かされる作品でもあります。この作品の犯人はかなりすごいなと個人的に思いました。

26巻 ヒッコリー・ロードの殺人

あらすじ

学生寮で次々と起きた盗難事件。

変哲もない事件に思われたが、たまたま学生に探偵術講義に来ていたポアロは「すぐ警察をよんだほうがいい」と主張する。

やがてポアロの予感は的中し、学生の一人が怪死を遂げてしまう。

マザー・グースを口ずさむポアロが導き出した二つの事件の意外な真相とは?

この作品は、ポアロ作品では初めての舞台である学生寮で起こる事件です。派手さはないのですが、普通に面白いという感じです。

物語中に、「マギンティ夫人は死んだ」や「葬儀を終えて」など過去の事件に触れている場面があります。また、「ヘラクレスの冒険」のロサコフ伯爵夫人も登場します!

ただ翻訳が現代にあってないせいか、違和感が感じるかもしれません。新訳が出ることを祈ります・・・

27巻 死者のあやまち

あらすじ

田舎屋敷で催し物として犯人探しゲームが行なわれることになった。

ポアロの良き友で作家のオリヴァがその筋書きを考えたのだが、まもなくゲームの死体役の少女が本当に殺されてしまう。

さらに主催者の夫人が忽然と姿を消し、事態は混迷していく……ポアロが卑劣な殺人遊戯をとめるために挑む。

他の長編で色々登場した小説家のオリヴァがまた登場する巻。ファンにはたまらないです!

今回はオリヴァが考えたゲームシナリオなんですが、殺人事件が本当に起こってしまいます。いつもながらとあるキャラクターが最初に感じる印象と最後の印象がまるで違うので、気をつけて読むといいかもしれません。

実はこちらの作品は未発表に終わった「ポアロとグリーンショアの阿房宮」が原型の作品だったりします。

個人的に、この巻までいくつか「なんとも言えない読了感」を感じる話が多いと感じます。全盛期のような派手さはないのと、最後のハッピーエンドになるものが少なくなっています。もしかしたらアガサ・クリスティの好みと考え方がかわってきているのかもしれません・・・。

28巻 鳩のなかの猫

あらすじ

中東の小国で起きた革命騒ぎ。

そのどさくさに、莫大な財宝が消え去った……一方、英国でも有数の女子学園メドウバンク校に事件の影が忍び寄る。

新任の教師が何者かに射殺されたのだ。

犯人は校内に? その狙いは? 二つの事件は、どこかでつながっているのか? ポアロの推理が冴えわたる。

ポアロがいつ登場するのかと中々に焦らされる巻です。普通に面白かったのですが、個人的に犯人がいまいちでした。

ただ、クリスティお得意の人間描写は巧みで、教師や学生の混乱ぶりは真に迫ってるものがありました。

やっぱり全盛期の時の作品と比べてしまうと、ちょっと物足りなく感じるのかもしれません。(贅沢な感覚になってしまった・・・)

クリスマス・プディングの冒険(短編集)

あらすじ

英国の楽しい古風なクリスマス。

そんな時でもポアロは推理にあけくれていた。

外国の王子がある女に由緒あるルビーを奪われたので、それを見つけてほしいというのだ。

女が潜む屋敷へと赴いたポアロは探偵活動を開始する。

表題作ほか短篇の名手クリスティーによる短篇のフルコースを召し上がれ。

全6作品の中短編が収録されています。原書にはいくつか重複する短編があったようで、他の短編集と重複してしまうため削除されています。最後の「グリーンショウ氏の阿房宮」だけがマープルものです。

一番のおすすめは表題作の「クリスマス・プディングの冒険」ですね。ちょうどクリスマスの時期に読んだのですが、雰囲気が楽しめて面白かったです。

あとは「二十四羽の黒つぐみ」という、行きつけのお店である常連客の老人が、1週間以上現れてないのを不思議に思ってポアロが調査する話です。中々味わい深いお話。

29巻 複数の時計

あらすじ

秘書・タイプ引受所から派遣されたタイピストのシェイラは、依頼人の家を訪れた。

無数に時計が置いてある不思議な部屋で待っていると、柱時計が三時を告げた。

その時シェイラは恐ろしいものを発見した。

ソファの横に男性の惨殺体が横たわっていたのだ……死体を囲む時計の謎にポアロが挑む。

全体的にうーんとなる作品です。ファンならいろんな意味で読むべきですが、初心者の方にはおすすめしません。これをクリスティの名著と思ってほしくないので・・・

今回はコリンが語り手で、ポアロは探偵業を引退しているので表立って調査はせず、安楽椅子探偵になります。

上手く伏線を散らばせてるのはいいのですが、最後がいまいちだったので、物足りない印象の作品でした。

30巻 第三の女

あらすじ

自分は殺人を犯したらしい。相談したい。

そう言ってポアロを訪ねてきた若い娘は結局何も話さず立ち去ってしまった。

その午後、事情通のオリヴァ夫人から事情を聞いたポアロは俄然興味を示し、夫人とともに調査を始める。

だが娘の周囲に殺人の匂いはなく……死体なき殺人の謎をポアロが追う。

またもオリヴァ夫人が登場の回です!待ってました!今回は事件の全貌が見えず、殺人を探すというなんとも珍しいお話でしたか、結末は驚く展開になります。

いままでは探偵業を引退していたので現地調査がなくなりましたが、久しぶりにポアロがきちんと調査するところが登場するので、ファンは嬉しいと思います。私も読んでてよかったな〜。

31巻 ハロウィーン・パーティ

あらすじ

推理作家のオリヴァ夫人を迎えたハロウィーン・パーティで、少女が殺人の現場を目撃したことがあると言いだした。

パーティの後、その少女はリンゴ食い競争用のバケツに首を突っこんで死んでいるのが発見された。

童話的な世界で起こったおぞましい殺人の謎を追い、ポアロは推理を展開する。

この作品は今までの中でもちょっと珍しい犯人じゃないのかなと個人的に思っています。

ハロウィーン中に殺人事件が起こるんですが、雰囲気が全体的に幻想のような感じがします。派手な演出はないのですが、物語はぐいぐい読ませてくるので、面白いです。

ただやっぱり初期のような巧みさはないかな・・・・

32巻 象は忘れない

あらすじ

推理作家ミセス・オリヴァが押しつけられた奇妙な謎。

それは十数年前に起きた心中事件は、男が先に女を撃ったのか、あるいは女が男を先に撃ったのか、というものだった。

困り果てたオリヴァから相談を受けたポアロは「象のように」記憶力のよい人々を訪れ、過去の真相を探る。著者晩年の傑作。

晩年の傑作と言われるほど、この年代の作品の中ではよく出来た作品でした。ファンの間でも上位に入るほどの名作です。

ある時起きた夫妻の自殺事件。不躾な女から依頼されたオリヴァ夫人はポアロに相談して過去を調べ始めます。

今までのポアロシリーズのなかで、一番と言えるほど悲しい真実だったと思います。どうもアガサ・クリスティの晩年の作品は薄暗い雰囲気の作品が多いものです。長く生きる上で思考が成熟してきたからこそ書けるものだと思います。

刊行順では次の「カーテン」がポアロシリーズ最終巻になっていますが、執筆順ではこちらの作品が最後となります。

33巻 カーテン

あらすじ

ヘイスティングズは親友ポアロの招待で懐かしきスタイルズ荘を訪れた。

老いて病床にある名探偵は、過去に起きた何のつながりもなさそうな五件の殺人事件を示す。

その影に真犯人Xが存在する。

しかもそのXはここ、スタイルズ荘にいるというのだ……全盛期に執筆され長らく封印されてきた衝撃の問題作。

ポアロシリーズで1巻目「スタイルズ荘の怪事件」の舞台であるスタイルズ荘にヘイスティングズは再来します。

ポアロは既にかなり老いているのですが、推理力は現役といったところです。しかし手足が動かないため、ヘイスティングに事件を提示して調査を依頼します。

中々シリアスな雰囲気の物語ですが、ファンから絶大な人気を得る作品伴っています。かくいう私も一番に挙げるほどのお気に入りの作品です。

犯人の手口も驚くことながら、最終局面は驚きとなんとも言えない結末が待っています。これぞ最後にふさわしい作品。

ポアロの長編シリーズは、この巻で最後になります。この後はポアロの短編が中心になります。途中、中だるみはあったと言えども数々の名作は、後のミステリーに多大な影響を与えたことでしょう。やっぱりこのシリーズはいつ読んでも古くなくて、面白いんだなあ。

マン島の黄金(短編集)

あらすじ

クリスティーの死後、四半世紀の時を経て、新聞や雑誌に掲載されたきりでファンの間でのみ囁かれ続けてきた幻の作品群を発掘。

表題作の宝探し懸賞小説や、謎の失踪の直前に書かれた小説、ポアロやクィンの謎解きミステリ、心理サスペンス、ホラー、ロマンスなどバラエティに富む十二篇を収録。

全12編からなる中短編なんですが、ポアロものは2つ収録されています。

・クリスマスの冒険 (「クリスマス・プディングの冒険」の元となる作品)
・バグダッド大櫃の謎(「黄色いアイリス」にも収録)

ぶっちゃけどの作品もかなり面白いのですが、一番はクイン氏の「クィン氏のティー・セット」だったりします。雰囲気がとても好きで、ガチファンの中でも好まれる作品だったりします。

34巻 ブラック・コーヒー(戯曲)

あらすじ

来客の一人に重要書類を盗まれたと知ったエイモリー卿は、寛大にも灯りを消しているあいだに書類を返せば罪に問わない、と宣言した。

そして、灯りがついた時、卿はコーヒーにはいった毒で殺害されていた。

そこへ卿に招かれていたポアロが到着するのだが……。クリスティー初のオリジナル戯曲。

この小説を書いたのはチャールズ・オズボーンという小説家なので、アガサ・クリスティではありません。彼女が書いたのは戯曲のほうです。

あらすじにもある重要書類というのは、とある化学式の書いた書類のことです。ある晩、書類が盗まれ、科学者のエイモリー卿は殺されていました。

ヘイスティングズも登場するので、ファンは一度読むことをおすすめします!

まとめ

ここまで読んでいただきありがとうございます。いや〜相変わらず名作が多い作品で、どの作品もクオリティが高いです。たまに微妙なのもありますが、他が面白すぎるからいけないのです。

基本的に「ポアロシリーズ」は1巻ずつ完結してるので、興味があったものから読んでみてください。

もし全巻読める方がいらっしゃいましたら、1巻から読むととても面白いです。出版年ずつ読んでくと、アガサ・クリスティーの全盛期がどの作品かわかってきて、よりアガサ・クリスティの作品を楽しめます。

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