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予告殺人(アガサ・クリスティ)のあらすじと感想|シリーズ一番の名作

予告殺人(アガサ・クリスティ)のあらすじと感想|マープルシリーズ4巻目

予告殺人(アガサ・クリスティ)とは

「予告殺人」とは、著者のアガサ・クリスティーが書いた名探偵マープルシリーズの4巻目に当たるミステリー小説です。
今回は今までと違って、だいぶ早いタイミングで登場し警察とタッグを組んで事件の調査に乗り出します。

いやー読んだすぐ後にこれを書いてるんですが、マープルシリーズの中でNO.1と言ってもいいんじゃなかなと思うほどの素晴らしい出来でした。

今回は「予告殺人」について感想を語っていきます!
※ちなみに新訳が出ていますので、読む時はそちらの方が読みやすくておすすめです。

ミス・マープルシリーズの読む順番について

こちらのシリーズについては以下で解説しています。ご興味ある方はぜひ御覧ください!

【決定版】マープルシリーズ(アガサクリスティ)の読む順番一覧|全17巻/完結済み
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アガサ・クリスティのおすすめ作品については以下でご紹介しています。

アガサクリスティおすすめ世界ランキングTOP22|初心者も読みやすい隠れ名作もご紹介
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予告殺人(アガサ・クリスティ)のあらすじ

あらすじ
その新聞広告が掲載された朝、村は騒然となった。
「殺人をお知らせします。10月29日金曜日、午後6時半…」。

誰かの悪戯か、ゲームの誘いなのか?予告の場所に人々が集い、時計が6時半を示したとき、突如闇が落ち、三発の銃声が轟いた!
大胆かつ不可解な事件にミス・マープルが挑む、クリスティーの代表作。

今回の事件の始まりは、地元新聞の広告欄に掲載された「殺人予告」でした。

普通の人だったら恐ろしくなると思うのですが、この広告を地元の人は全く違いました。みんな嬉々として殺人が起こるであろう場所(リトル・パドックス館)に出かけていきます。(びっくり!)
ここが人間性の違いで面白い描写だったなと思います。

本当の殺人事件なんて起こらない、みんな殺人事件のゲームだと思って行きます。そして当日は館の住民以外に、4組の近隣住民が遊びに行きました。

しかし館サイドの人たちは、その殺人予告を誰が出したのか知らないという不思議なことが起こっていました。
そしてついに事件当日に殺人事件が起こります・・・。

実写ドラマもある

ちなみにこの作品はBBC(イギリスの放送局)でドラマ化もされています。
個人的に見応えがあって面白かったので、気になる方は観てみてください!
今回はシーズン1の6〜8話になります。

配信されている動画サービス
※各リンクをクリックすると、直接「マープル」の動画ページに飛びます。

基本的にどこの配信サイトも30日間は無料なので、お試しで入ってみてもいいかもしれません。
ちなみに私はアマゾンプライムに入ってるので、そちらで見ました。



予告殺人(アガサ・クリスティ)の感想(ネタバレあり)

この巻はとてもよくできていて、本当に面白かったです!!

特に、

・事件解決までの物語の展開が面白い!
・シンプルな事件だが、住民たちの書き分けとキャラクター配置が素晴らしい。

と、色々とミステリー好きの私にとっては美味しい小説で、悩んでる時間が本当に至福でした。
ただいろんなものを読んだおかげで途中で犯人の見当がついたので、それも含めてとても楽しめました。

以下、少々ネタバレを交えながら、特筆したいことを語ります。
(トリックや犯人のネタバレはしません。)

ミステリーだけでなく物語が面白い!

個人的にミステリー小説には、ミステリー要素だけでなく物語要素も面白いかどうかも重視して読みます。そっちの方が好みなので。

事件が起こった後、館の主人であるレティシア・ブラックロックが狙われていることが判明しました。
理由は事件中、暗闇の中で何者かが彼女に向かって発砲した出来事があったからです。

その後、何故レティが狙われるのか?が判明し、実は居候の従兄弟二人がとても怪しいことに気づき、警察やマープルが調査を始めます。
調査後もいろんな真実や疑惑が発覚し、警察だけでなく読者をも混乱させていきます。

これが読者を全く飽きさせない展開になっていて、後半は非常に読み応えがあります。450ページくらいあるんですが、あっという間に読めます!

読者の目を逸らさせるのが上手い

これはアガサ・クリスティの作品全般に言えることなんですが、基本的にミスリードさせるのが得意で、今作もふんだんに使われています。

物語の中では事件の犯人として何人かあげられていますが、その中に本当に犯人がいるかどうかは最後を見なきゃわかりません。

最後はマープルの華麗な策略

なんと言っても最後の怒涛の展開は素晴らしかったです。
マープルが犯人を追い詰めるために、警察とタッグを組んで、広間に事件の関係者全員を集めます。

そこで館のメイドのミッチが一芝居打って、犯人を炙り出すことの成功します。

このミッチが、素晴らしいキャラクターなんですよ!
犯人を炙り出すなんて、一歩間違えたら自分の命も危ないのに勇敢にも挑戦してくので、とても好きになりました。

元々、ミッチは少々神経質なところもあり、館の人たちから面倒な人物として扱われていましたが、最後の活躍にはボーナスを上げてもいいくらいの働きをしたと思います。
そしてマープルが犯人を炙り出すためにやった「ある事」もとてもよかったです。

犯人の人物像を見誤ると100%失敗になるはずですが、成功したということは犯人の心情を完全に理解した上で実行したという事になります。
千里眼か?と思うほど、末恐ろしい老婆の名探偵でした。

犯人について

読みおわった後に私が感じていた違和感はこれだったのか〜!と色々と考えさせられました。
最初はノーマークの犯人でしたが、どうしてそんなに出来た人物なのにずっとこの町にいるのか不思議でした。

話を聞いてると精力的な人なのに、一人なのもよくわからないし。

犯人がマープルの手で発覚すると、犯人らしい犯人ではない普通に人だったんですが、結局は自分の欲望からの話なので、どんな外面がいい人でも外道だなと思いました。うん、身勝手でした。



まとめ

今回はあたりの作品でした!
どうやらクリスティファンの間で一番最初に名前が挙げられるほどの作品だそうです。

まだ読んでない方はぜひ読んでいただきたい作品です。