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牧師館の殺人 (アガサ・クリスティ)のあらすじと感想|シンプルさゆえに光る名作

牧師館の殺人 (アガサ・クリスティ)のあらすじと感想|マープルシリーズ1巻目

牧師館の殺人(アガサ・クリスティ)とは

「牧師館の殺人」とは、著者アガサ・クリスティの名探偵マープルシリーズ1巻目にあたるミステリー小説です。

今回の事件は記念すべき初マープルの謎解き、となるわけですが凄まじいお婆さんです。
恐らく当時初登場した時はかなり話題だったんだろうな〜と思うくらい、直感型の名探偵で、周りから聞いた情報から推理してしまうという天才お婆さんです。

初めて読んだ時は凄すぎて笑ってしまいました。まるで魔法みたいです。
今回は「牧師館の殺人」について感想を語っていきたいと思います!

ミス・マープルシリーズの読む順番について

こちらのシリーズについては以下で解説しています。ご興味ある方はぜひ御覧ください!

【決定版】マープルシリーズ(アガサクリスティ)の読む順番一覧|全17巻/完結済み
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アガサ・クリスティのおすすめ作品については以下でご紹介しています。

アガサクリスティおすすめ世界ランキングTOP22|初心者も読みやすい隠れ名作もご紹介
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牧師館の殺人(アガサ・クリスティ)のあらすじ

あらすじ
閑静な小村セント・メアリ・ミード村で殺人事件が発生。
しかも場所はこともあろうに牧師館の書斎―頑固な村の退役大佐が、射殺死体で発見されたのだ。

やがて犯人と目される画家が自首したことから、事件は簡単に解決すると思われたが…
せんさく好きの老嬢ミス・マープルが深い洞察力で真相に迫る長篇初登場作。

今回事件の舞台となるのは、「牧師館」です。

物語の視点もレナード・クレメントという村の牧師さんになります。
彼は妻のグリゼルダと、甥のデニスと暮らしていて、日々村の住人の相談相手となっています。

この牧師さん自体もかなり良い人で、個人的にとても好きになったキャラクターの一人なんですが、何故か牧師さんの書斎で死体が見つかります。
被害者はプロズロー大佐という村の嫌われ者であった人物で、村の人たちから死んでほしいと思われてるほどの憎まれようです。

という感じで誰にも動機がある、というのが今回の事件の肝となります。

事件の時代背景

イギリスの片田舎セント・メアリ・ミード村が舞台となります。

その時代は、一家庭で女中を雇うのが当たり前でした。
上流階級でなくとも雇えるレベルの生活水準、ということですね。

日本だと考えられない生活ですが、妻は別に家事が出来なくとも大丈夫なのはいいな〜とか思ったりします。

実写ドラマもある

ちなみにこの作品はBBC(イギリスの放送局)でドラマ化もされています。
個人的に見応えがあって面白かったので、気になる方は観てみてください!
今回はシーズン2の1、2話になります。

配信されている動画サービス
※各リンクをクリックすると、直接「マープル」の動画ページに飛びます。

基本的にどこの配信サイトも30日間は無料なので、お試しで入ってみてもいいかもしれません。
ちなみに私はアマゾンプライムに入ってるので、そちらで見ました。



牧師館の殺人(アガサ・クリスティ)の感想(ネタバレあり)

マープル一冊目はとても面白く読めました。
何より、村人のキャラクターが様々で、村ならではの噂の広まるスピードや閉鎖的な人間関係などが楽しく読めました。

ただ一点だけ気になるところと言えば、非常に冗長的な話に思えたことです。
ミステリーに絞ったら4割くらいは省略できたんじゃないかなというくらい事件発生から謎解きまでが長かったので、そこがちょっと微妙でした。(村の噂話とか脱線が多かったのです)

以下自分の気になった点です。(トリックと犯人のネタバレはしません)

犯人の狡猾さが際立ってた事件

今回の事件は最初に容疑者として、被害者の家に滞在していた画家のローレンスと大佐の妻のアンが挙げられます。
まずローレンスが自分がやったと銃と共に自首し、その後密かに不倫していたアンが彼を庇うために自首します。

その後彼らにアリバイがあり無実ということがわかって、事件はまた振り出しに戻ります。
ここから調査のターンに入るんですが、最後らへんで副牧師の自殺未遂事件が起こります。

この展開を犯人がかなり上手く使ってる、とマープルが推理するんですが、犯人の機転が効いてるところが見事でした。

謎解きを読めばとてもシンプルな事件やトリックなんですが、それを複雑にして読者を惑わす手腕は流石だなと思いました。

愛すべきレナード牧師さん

お気に入りのキャラクターはレナード牧師一択です。
彼視点で物語が進むんですが、村人からいろんな相談や秘密ごとを打ち明けられても絶対に口外しないのが、信用に値する人物だなと感心しました。守秘義務があるので当たり前かもしれませんが。

ただそのおかげで色々とマープルを迷わせたようで、事件解決に遅れた点が否めません。
特に面白かったのは、レナード牧師が妻のグリゼルダと出会った時を振り返るシーンが良かったです。

「あの頃の自分はどうかしてた」と何度も言う時がありますが、グリゼルダが美人すぎて口説いてしまったんでしょう。かわいいな。
ただ作中で、何度もグリゼルダの怪しい言動があって地味に読者を惑わせていたので、レナード牧師と共に私も困りました。

実は最後のオチで、この夫妻の仲良しなところが見れるので、ぜひ読んでいただきたいです!!

ちなみに二巻の「書斎の死体」にもチラッと登場します。
レナード牧師のファンは必読です!



まとめ

最近またマープルを読み始めた私ですが、やはりポアロと違って地味だなーと強く思います。

でも巧みな人物描写や閉鎖的な村のリアルさ、イギリスの文化などが楽しめるシリーズなので違った面白さがあっていいですね。
なんか横溝正史の金田一シリーズとかとテーマは似てるかも。