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カリブ海の秘密(アガサ・クリスティ)のあらすじと感想|妻殺しの男は誰なのか?

カリブ海の秘密(アガサクリスティ)のあらすじと感想|妻殺しの男は誰なのか?

カリブ海の秘密(アガサ・クリスティ)とは

「カリブ海の秘密」とは、著者のアガサ・クリスティーが書いた名探偵マープルシリーズの9巻目に当たるミステリー小説です。

今回のミステリーは今までと舞台が異なって、村ではなくマープルの宿泊先のホテルでの事件です。
事件自体がかなり面白く、これまたお得意のミスリードがたくさん使われている作品でした。

今回は「カリブ海の秘密」について感想を語っていきます!

ミス・マープルシリーズの読む順番について

こちらのシリーズについては以下で解説しています。ご興味ある方はぜひ御覧ください!

【決定版】マープルシリーズ(アガサクリスティ)の読む順番一覧|全17巻/完結済み
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アガサ・クリスティのおすすめ作品については以下でご紹介しています。

アガサクリスティおすすめ世界ランキングTOP22|初心者も読みやすい隠れ名作もご紹介
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カリブ海の秘密(アガサ・クリスティ)のあらすじ

あらすじ
転地療養のため美しく平穏な西インド諸島を訪れたマープル。一週間は何事もなく穏やかにすぎていった。

だが、まもなく彼女を相手に懐古談をしていた少佐が死体となって発見される。
以前から少佐は何かを憂いていたようなのだが……。義憤にかられた老嬢ミス・マープルが、事件の謎に挑む。

南の島で起こる連続殺人事件

今回の事件の被害者は、パルグレイブ少佐というおしゃべりが多くて周りから”面倒な老人”と思われている人です。
亡くなられる前日、マープルに「とある妻殺しをする夫」の話をした後に何故か高血圧で亡くなられました。

前日は元気に動き回ってた少佐が、突如亡くなられたことに疑問をもったマープルは情報を集め始めます。

調べた結果、もしかしたら「とある妻殺しをする夫」に少佐が殺されたのかもしれない…と疑念を持ち始めます。

実写ドラマもある

ちなみにこの作品はBBC(イギリスの放送局)でドラマ化もされています。
個人的に見応えがあって面白かったので、気になる方は観てみてください!

配信されている動画サービス
※各リンクをクリックすると、直接「カリブ海の秘密」の動画ページに飛びます。

基本的にどこの配信サイトも30日間は無料なので、お試しで入ってみてもいいかもしれません。
ちなみに私はアマゾンプライムに入ってるので、そちらで見ました。



カリブ海の秘密(アガサ・クリスティ)の感想(ネタバレあり)

この作品は、シリーズの中でも冒頭の掴みが上手い作品というのが一番の感想です。
まずマープルと少佐の冒頭の会話が興味をそそられます。

その後、作り話かと思ったら、もしかしたら本当にいるのかも…という「問い」になる展開がかなり面白いです。

恐らく最後の犯人は全く予期しない人だったと思う読者が多かったのではないでしょうか。
以下ネタバレが少し含みますので、未読の方はご注意ください。

複雑で怪しい人間関係

マープルは甥のレイモンドに勧められて、ゴールデンパームホテルに長期滞在します。
そのホテルには何組かの夫婦、兄妹、金持ちの老人、医者、ホテル経営の夫婦などがいるんですが、全員が怪しすぎてマープルは見極めるのに苦戦をします。

これがマープルの住む村だったら人間関係を熟知していたので楽なんですが、私も読んでいて誰がどういう関係で繋がっているのか推測するのが難しかったです。(特に恋愛関連の話が絡んでいたので、更に難しい!)

事件の大きな謎は「誰が妻殺しの夫なのか?」です。
ですが、途中で「夫殺しの妻の話」も登場します。

果たして、どちらが本当の話なのか?
そもそも殺人の動機は何なのか?

ちなみに一番のヒントは、冒頭でパルグレイブ少佐がマープルの肩越しに見ていた「方向」でした。
よくよく読んで推測しないとわからなくなってしまうので、よく読むことをおすすめします。

誰が嘘をついているのか?

先程、犯人の殺人動機について触れましたが、動機も事件のキーポイントになります。
動機を解く上で、人間の嘘を見抜く必要がある点が非常にお上手でした。(本当に最後の最後でわかります。)

よくよく考えると、今までのマープルシリーズでは絶対的なお金の動機が多くありました。
そうすると他に動機が思いつかない限り、お金による動機しか考えられないわけです。

ここは個人的に一本取られた箇所です。

魅力的なキャラクターたち

どの作品でも言えることなんですが、こちらの作品も魅力的なキャラクターがたくさんいます。
特に、お金持ちの老人ラフィール氏と従僕のジャクスンがとてもいい活躍をしていました。

マープルが自分の味方がいない中で、同じ疑念をもったラフィール氏が共闘してくれたこと、最後にジャクスンを使わせてくれたことが面白かったです。
しかも思いがけないことに、ラフィール氏が鍵だった展開も意表を突かれました。

また、犯人よって悲しい想いをした何人かの人たちは可哀想でしょうがなかったのですが、最後のモリーの表情は良かったです。



まとめ

実はこの作品は三部作の構成でした。
ただ、次の「復讐の女神」で最後となってしまいました・・・(読みたかったです!)

出版の順番としては、「バートラムホテルにて」を一つ飛ばすことになります。

今回登場したキャラクターがまた活躍するので、気になる方はぜひ読んでくださいね!