「クイーン警視自身の事件」を読んでみた|エラリー・クイーンの父が大活躍する事件。

「クイーン警視自身の事件」を読んでみた|エラリー・クイーンの父が大活躍する事件。

「クイーン警視自身の事件」/エラリー・クイーンとは

「クイーン警視自身の事件」は、名探偵エラリー・クイーンシリーズの番外編です。

名探偵エラリーの父であるリチャードが主人公となって物語が進みます。

エラリーファンからすると、いつものエラリーが登場しないので少し物足りないと思うかもしれませんが、これがかなり面白いミステリーとなっていますので、ぜひ読んでいただきたい作品です。

今回は「クイーン警視自身の事件」についてご紹介しながら、感想を語っていきたいと思います。

エラリー・クイーンの読む順番

名探偵エラリー・クイーンの読む順番については、以下の記事で解説しています。興味ある方はぜひご覧ください。

→国名シリーズ|探偵エラリークイーンの読む順番とおすすめランキングご紹介!

今回の作品は、エラリー・クイーンを知らなくても読めますのでご安心ください。

「クイーン警視自身の事件」のあらすじ

あらすじ

夜更けに、不吉な胸騒ぎを覚えて、飛ぶようにハンフリイ邸に帰ってきた看護婦ジェシイ・シャーウッドは、育児室にとびこむなり思わずそこに立ち尽くした。

窓は開け放たれ、養子の赤ん坊は顔の上に枕をのせたまま冷たくなっている!

その枕の中央に手形が残っていたような気がしたが、枕は騒ぎの最中になくなってしまった。

たまたま現場に立ち会うことになった退職したばかりのクイーン警視は、殺人を主張するジェシイを助けて、エラリイの手を借りずに単独不敵な犯人に立ち向かっていく。50年代のクイーンの最高傑作。

あらすじにもあるとおり、今回の探偵役はエラリー・クイーンではなく、父のリチャード・クイーンです。

今回の事件は弁護士・闇商人のフィナーが、ある女性から赤ん坊を買い取ってハンフリイ夫妻に売るシーンから始まります。(いつの時代も子供を売買する悪い人がいるもんですね。)

ハンフリイ夫妻の間には子どもが恵まれず、念願の子供に対してとても大事に接していました。

しかしある時、保母のジェシイが休暇から戻って赤ん坊の様子を見に行った途端、赤ん坊が枕に押し付けられて窒息死しているのを発見しました・・・。

どちらかというとミステリーというよりサスペンス色の強い作品なんですが、あちこちにヒントがあって誰でも解けるようになってるミステリー要素も盛り込まれています。

「クイーン警視自身の事件」の感想

エラリー大好きな私からすると、登場しないのは残念でしたが、それでもとても面白いミステリー作品でした。

どちらかというとサスペンスとロマンス色が強く、ドラマ向きの物語だった気がします。

ただそれでもミステリー作品としてきちんと伏線があったし、ギリギリまで犯人を逮捕するための証拠が登場しなかったのが物語としてとても盛り上がったポイントだったと思います。
以下少しネタバレ含みます。

赤ん坊殺人事件について

赤ん坊が窒息死してるのを発見した保母のジェシイは「これは殺人だ」と考え、その場に居合わせたリチャードと事件を調査し始めます。

このジェシイという女性は赤ちゃんのためにあちこち奔走するんですが、清々しいほどに勇敢なキャラクターです。

リチャードもそんな彼女に惚れて淡い恋心を抱くのですが、お互い両思いなのでじれじれしてて面白かったです。

一番面白かったのが、リチャードとジェシイがタッグを組んで、少しずつ真相に近づく過程です。

途中何度か犯人から命を狙われます。
今回の犯人はさすがにわかりやすかったのですが、どう探してもアリバイが崩せない上に、赤ちゃんへの犯行に使った枕カバーが見つかりません。

じれたリチャードは枕カバーを作って、犯人に揺さぶりをかけようとしたのですが犯人にバレてしまいます。
そして最後の最後でジェシイが何かを思いついて、それを確かめに行きます。

総じて物語展開がとても面白くて、ドラマ化したら絶対流行ると思った作品でした。(いや、本国ではドラマ化したのかな?)

時間軸はパラレル?

実は、エラリークイーンシリーズの本編だと、リチャードは引退していません。

ですが、今作ではすでに引退していました。後書きによると、引退していなければリチャードは主人公として十分じゃなかったかもしれない、と書かれていました。

確かに、事件を調査する際に昔の仲間に嘘をついてまで、自分の手で事件を解決しようとしていたので、この思い切った行動をさせるためには必要な設定だったかもしれません。

そりゃあ、あんなに仕事してた人が急にやることなくなると無気力にもなりますよ。まだ刑事でいたかったんだろうなと思い馳せると少し淋しいです。

また、作中だとリチャードは嗅ぎたばこを一回も吸ってなくて、あんなに中毒だったのにそのシーンがなかったのは違和感がありました。

あとぶっきらぼうな口調とか。もしかしたらジェシイの前では、わざと丁寧な口調を使っていたかもしれません 笑。

リチャード×ジェシイのペアは続きがあります!

ラッキーなことに別の長編でも二人は活躍します。

エラリーシリーズの長編「真鍮の家」という作品なんですが、こちらもリチャードが主体で奇妙な館の事件を解決します。

この作品もなかなかドラマチックな展開で面白いですよ!
ちなみ最後の最後でちょびっとエラリーが登場します。

まとめ

エラリーファンだったら読んでおきたい作品の一つです。

エラリーは登場しませんが、いつもはエラリーにやられっぱなしだったリチャードのかっこいい姿が見れます。60代のいい男です。
ぜひ気になった方は読んでみてくださいね!