ポケットにライ麦を(アガサ・クリスティ)のあらすじと感想|マープルシリーズ6巻目

ポケットにライ麦を(アガサ・クリスティ)のあらすじと感想|マープルシリーズ6巻目

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ポケットにライ麦を(アガサ・クリスティ)とは

「ポケットにライ麦を」とは、著者のアガサ・クリスティーが書いた名探偵マープルシリーズの6巻目に当たるミステリー小説です。
この作品はクリスティ中期の傑作と言われるほどの作品で、ミステリー自体は見立て殺人で、マザーグース(童話)を使いそのとおりに犯行を行う形式です。

今回はこちらの作品について感想を語ってこうと思います!

ミス・マープルシリーズの読む順番について

こちらのシリーズについては以下で解説しています。ご興味ある方はぜひ御覧ください!

【決定版】ミスマープルシリーズ(アガサクリスティ)の読む順番一覧|完結済み
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アガサ・クリスティのおすすめ作品については以下でご紹介しています。

アガサクリスティおすすめ世界ランキングTOP22|初心者も読みやすい隠れ名作もご紹介
【全世界】アガサクリスティのおすすめランキングTOP22|初心者も読みやすい隠れ名作もご紹介



ポケットにライ麦を(アガサ・クリスティ)のあらすじ

あらすじ
会社社長が何者かに毒殺された。
遺体のポケットにはなぜかライ麦が。それは、恐るべき連続見立て殺人の端緒だった。

さらに社長宅のメイドが洗濯ばさみで鼻をつままれた絞殺死体で発見される。
彼女を知るミス・マープルは義憤に駆られ、犯人探しに乗り出す!

マープルが登場するのは中盤くらいになります。
ある時、マープルが一人前のメイドとして育てた女性グラディスが、奉公先で何者かによって首を絞められ亡くなっているのが発見されました。

新聞を見たマープルはすぐさま事件現場に向かい、彼女を殺した犯人を探すべく警察とタッグを組んで調査を始めます。
実はこの時、グラディスは3人目の被害者で、前半ではグラディスの主人とその妻が殺されています。

果たして、被害者を殺害したのは一体誰なんでしょうか?
トリックや犯人のネタバレはしませんが、物語のネタバレはしますのでご了承ください。

実写ドラマもある

ちなみにこの作品はBBC(イギリスの放送局)でドラマ化もされています。
個人的に見応えがあって面白かったので、気になる方は観てみてください!
今回はシーズン1の9、10話になります。

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マープル役の女優さんがまさに原作そのものでとても良かったです。



ポケットにライ麦を(アガサ・クリスティ)の感想(ネタバレあり)

今回の作品も、中々面白かったです!
ミステリーももちろんですが、非常にドラマチックでキャラクター1人1人がとてもいい働きをしていました。

特に、以下三点がよかったです。

・マザーグースを使った見立て殺人
・後半で、読者に対して引っ掛けが入るところ
・最後の手紙

マザーグースを使った見立て殺人

今回は有名なマザーグース(童話)をなぞらえた見立て殺人が起こりました。
ちなみに、童話の部分は以下です。

ポケットにライ麦を 詰めて歌うは街の唄
クロツグミを二十四パイに焼き 切って差しだしゃ鳴きいだす
お城料理のすばらしさ 王さまのお庫で宝かぞえ
女王は広間でパンに蜂蜜 若い腰元庭へ出て
乾しに並べたお召しもの そこへ小鳥が飛んできて
可愛いお鼻を突っついた

まず第一の被害者のレックス社長は、毒物で殺害されました。その時ポケットにライ麦が入っていました。

第二の被害者はレックス社長の妻のアデルが、パンに蜂蜜を塗って食べていた時、紅茶を飲んで毒殺されました。

第三の被害者はメイドのグラディスが外へ洗濯物を取り込みに行った所、何者かに絞殺されました。そして何故か鼻に洗濯バサミが挟まっていました。

ただしよくよく読んでみると、色々とおかしな点があります。
まずクロツグミですが、生前レックス社長は一度クロツグミを使ったいたずらをされたことがあります。歌詞を見ると、クロツグミは2文目です。

その後なぜか最初の歌詞を擬えるように、第一の被害者のレックス社長が亡くなりました。
そして次には「女王は広間でパンに蜂蜜」の部分の見立て殺人が起こっています。(正確にはメイドのグラディスが2番目)

という感じで、少しずつ「この見立て殺人は一体どういうことだ?クロツグミを使っていたずらした人と、殺人を犯した人は同一人物か?」と疑問が浮かびます。
ここが大変面白かったです!よくよく読まないと違和感に気づかないところが素晴らしい出来栄えだと思います。

読者に対しての引っ掛けが凄まじい

これは上記の話が被るんですが、だんだんと事件のキャラクターの背景を掘っていくと、レックス社長に対して相当な恨みを持つ家族が現れてきます。
その家族の一人が、事件の容疑者たちの中にいることが発覚し、十分レックス社長殺害への動機になりうる怪しい人物だという展開になります。

これが非常にぎりぎりの引っ掛けでした。
こんなこと言われたら読者はそのとおり受け取っちゃうな…と思いながら読みました。

ですがこれもよくよく考えると、その怪しい人物も、事件の被害者たちへの犯行の動機が不十分なのです。
私はこれに引っかかってしまって、最初に怪しいと直感的に思ったことも読んでるうちに忘れ、判断してしまいそうになりました 笑。

いやー後半の怒涛の展開が凄まじかったです。

この作品の一番の見どころは「手紙」

以上よりミステリーの部分をあげていきましたが、アガサクリスティは最後に憎らしい演出を仕掛けていきました。
最後、事件の謎解きをして自分の家へ帰宅したマープルは一通の手紙が届いていることに気づきます。

その手紙は故人のグラディウスからでした。

手紙の内容は事件の真相に関わることでしたが、手紙と一緒に入っていた写真が、実は犯人の証拠となるものだったのです。
この写真によってマープルは、犯人に対して完全勝利をしました。

この演出が、この作品自体のクオリティを最高潮に仕上げていると言っても過言ではありません。
最後は誰でもうるっとくる展開だと思います。ぜひ気になった人は読んでみてください。



まとめ

物語としてもミステリーとしても読み応え抜群の作品でした。
少なくとも前作の「魔術の殺人」よりも面白かったです!ドラマチックでした。

ただ個人的な名作やはり、一番は「予告殺人」かなと思ってます。
未だあの面白さが忘れられません・・・。

この調子でマープルシーリズの全制覇を目指そうと思います!