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魂手形(宮部みゆき)のあらすじと感想|三島屋変調百物語七之続

魂手形(宮部みゆき)のあらすじと感想|三島屋変調百物語七之続

「魂手形:三島屋変調百物語七之続」(宮部みゆき)とは

「魂手形」とは、著者の宮部みゆきが書いた三島屋変調百物語シリーズの7巻目にあたる小説です。
全3編の物語が収録されており、挿絵は”三好愛”さんが描かれています。(物語と合っていて、非常に不気味で怖いです)

今回は「魂手形」の感想について語っていきます!

三島屋シリーズについて

三島屋シリーズの読む順番については以下でご紹介しています。
三島屋変調百物語シリーズ(宮部みゆき)の読む順番やおすすめ5作をご紹介! 三島屋変調百物語シリーズ(宮部みゆき)の読む順番やおすすめ5作をご紹介!

「魂手形:三島屋変調百物語七之続」のあらすじと登場人物

あらすじ
嘘も真実も善きも悪しきも、すべてが詰まった江戸怪談の新骨頂!
江戸は神田の三島屋で行われている変わり百物語。

美丈夫の勤番武士は国元の不思議な〈火消し〉の話を、団子屋の屋台を営む娘は母親の念を、そして鯔背な老人は木賃宿に泊まったお化けについて、富次郎に語り捨てる。

今回も第一期のおちかに代わって三島屋の次男である、富次郎が聞き手をつとめます。
3つの物語がどれもジワリとした怖さが魅力的で、シリーズ読み続けているファンにとってはとても面白いと思います。

詳細なあらすじについては、感想のところでご一緒に紹介したいと思いますが、個人的に「一途の念」が切なすぎてしょうがありませんでした。

登場人物

シリーズのサイトでもイラスト付きで紹介されています。絵がかわいいですよ~
公式サイト

富次郎:三島屋の次男。おちかの後を継いで百物語の聞き手をする。最後は墨絵で聞き捨てる
お勝:百物語中に控えている女中。魔除けがわり
おしま:富次郎を赤ん坊の時からお世話してる古参の女中

伊兵衛:三島屋の主人。
お民:伊兵衛の妻。
伊一郎:三島屋の長男。奉公中

おちか:百物語の初代聞き手。貸本屋の勘一と結婚し、幸せに暮らしている

「魂手形:三島屋変調百物語七之続」の感想(ネタバレ)

今作もめちゃくちゃ面白かったです!

全体的に暗い話ばかりなのですが、唯一の明るい話で、おちかがついに赤ちゃんができました!
1巻から読んできて辛い目にあってきたおちかには、漸く幸せを手にしたかと思うと、とても嬉しいです。

さて、今回は一つずつ感想を語っていきたいと思います。

①火焔太鼓

あらすじ
とある美丈夫(中村新之助)が語り手として現れた。
かの国許では”大太鼓様”という、どんな火事も喰ってしまう太鼓がまつられていた。
ある日、太鼓が壊れてしまい、新之助は太鼓の秘密を知ってしまうことになり・・・

この話は中々怖かったです。何が怖いって、この物語の人間たちが恐ろしすぎて、今の現代人には理解できない思考だからです。

大太鼓様の正体はおおぼらけ沼にいる”ぬし様の爪“だったのですが、外の人間に大太鼓様のことを知られてしまい、盗まれてしまいます。
しかし、新之助の兄が盗まれる前にと大太鼓を壊してしまったため、大火事になってしまいました。
急いで大太鼓様を復活するべく、ぬし様の爪を貰いにいき、事なきを得ました。

この時代にとって火事などは大災害に等しいので、大太鼓様はうってつけの救世主だと思います。
なんとか対策すれば普通の人間でも扱えるみたいですし。

しかし、最後に明かされる”ぬし様”の正体には思わず背筋が凍ります。ほんと、誰がそんなこと思いついたんでしょう。


んでそこまでして大太鼓様を維持しなければいけないのか。
新之助の兄である柳之助もなぜ志願したのか。

なんとも辛く哀しい出来事にショックでした。個人的に武士の自己犠牲をかっこいいと思えないので、全く理解出来ないです。

恐らくですが、一番最初のぬし様も身体は人間だったのではないでしょうか。
元々命があるならば、何かが乗り移ってしまった結果な気がします。

語り手の新之助が無事で良かったですが、そういった風習が彼が大人になっても続いていると思うと、人間は因果な生き物だなあとも思います。

②一途の念

あらすじ
富次郎の行きつけ、屋台の団子屋で働くおみよが、ある時「おっかさんがようやく死ねたぁ」と泣きわめいていました。
心配した富次郎が、百物語の間におみよを招き、おみよを語らせます。

その昔、おみよのお母さんであるお夏は「松富士」というところで一生懸命働いていたんですが、そこで悲劇が起こり・・・

読み終わった後、こんな悲劇があっていいのかと思うほど辛い物語でした。
宮部さんのインタビューを読むと、最初この話はコメディだったらしいのですが、書いていくうちに悲劇になってしまったそうです。インタビュー

宮部さん、コメディがよかったかもしれないです・・・辛すぎて読み終わった後しばらく立ち直れなかったです…

料理人の伊佐治(おみよの父)は、4人の子供の本当の父について気づいていたのでしょうか?
さすがにお夏が身体を売り始めた時は覚悟していたと思いますが、それでも子供が自分に瓜二つなのを見ると、奇跡のほうを信じたのでしょうか。

その後、伊佐治が亡くなった後にお夏が目をくりだそうと奇行に走った意味が分かると、辛くやり切れないです。
恐らく自分の見たもの、現実を知りたくなくて目をなくそうとしていたと思います。

今までの子供の顔は、お夏が見たかった願いと伊佐治の信じたかった奇跡が合わさった念かもしれません。
唯一の救いは、子供たちが健やかに生きていること、そして伊佐治が気づいていたとしても本当のことを知らずに死ねたことです。

悪の根源には何かあればいいなと思ってしまいますが、それでもおみよがすっきりとして生きていけるのが良かったです。
富次郎はおみよに対してちょっぴり恋をしてたみたいですが、どんまいです…

③魂手形

あらすじ
吉富おじいちゃんが子供時代に体験した摩訶不思議な話。

実家はかめ屋という木賃屋を経営していたんですが、やせ細った黒く焦げた肌の鳥目の七之助というお客がやってきました。
なんでもこの世ならざるものが見えるらしく…

この話もかなり面白かったんですが、特によかったのが吉富の義母のお竹がめちゃくちゃいい人間でした。

吉富がおばあちゃんから虐待をうけてた時に、おばあちゃんに一喝してくれたのがお竹で、言葉づかいの悪さもすっごい好きになりました。
その後、この世ならざるものが吉富の近くにいたとき、必死にかばってくれたのでなんともいいお母さんに巡り合えてよかったなあと思います。

さて、七之助についてですが、祓い屋のようなお勤めをする人間にしては優しすぎるヒトでした。
結果的に吉富もいい子で、水面(うわばみ)を綺麗な魂にすべく仇討ちをさせてくれたのがとても良い展開でした。

前二つの物語と比べて、救いがある話だったのでとっても良かったです。
ですが、最後の不穏な終わり・・・”商人”と名乗る怪しいものが、おちかの身辺を騒がせそうな気がします。

おちかの辛い身の上話はシリーズ1巻目「おそろし」の最後の話で知れますが、これ以上辛いことが起きないように願います。
がんばれ富次郎!!

まとめ

今作も非常に面白かったのですが、おちかの幸せに水をさす人物がいるかもしれないことが腹立たしいです。
願わくば彼女たちが無事であることを…

次作もとっても楽しみです!

宮部さんの他シリーズはこちら。
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