
今回は「三島屋変調百物語」シリーズを紹介するよ!時代小説なんだけど、人間の怖い話がたくさん入ってて読み応えのあるシリーズ。夏の夜におすすめだよ。
三島屋変調百物語シリーズとは
三島屋変調百物語シリーズとは、日本の大御所作家である宮部みゆきが描く、時代ホラー連作短編シリーズです。
主人公のおちかが聞き手となり、いろんな人が心の奥底にしまっておいた怖い話や不思議な話を語っていくストーリーです。現在も雑誌の「小説 野性時代」にて連載されています。
今回は三島屋変調百物語シリーズをご紹介いたします。
宮部みゆきのその他の作品
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三島屋変調百物語シリーズの読む順番は?(未完結)
連作短編ですので、ぜひ順番に読んでみてください。
一応ホラー小説のくくりではありますが、グロテスクなシーンなどはありませんのでホラー苦手な方でも読めるテイストになっています。
ちなみに2022年は「よって件のごとし 三島屋変調百物語八之続」という新刊が出ています。ぜひチェックしてみてください〜!
三島屋変調百物語シリーズの読む順番一覧
No. | タイトル | 出版年 |
---|---|---|
1 | おそろし 三島屋変調百物語事始 | 2008 |
2 | あんじゅう 三島屋変調百物語事続 | 2010 |
3 | 泣き童子(わらし) 三島屋変調百物語参之続 | 2013 |
4 | 三鬼 三島屋変調百物語四之続 | 2016 |
5 | あやかし草紙 三島屋変調百物語伍之続 | 2018 |
6 | 黒武御神火御殿 三島屋変調百物語六之続(単行本) | 2019 |
7 | 魂手形 三島屋変調百物語七之続(単行本) | 2021 |
8 | よって件のごとし 三島屋変調百物語八之続(単行本) | 2022 |
これ以外にも、1〜5巻をまとめた「三島屋変調百物語 おちか編5冊合本版」があります。
Kindle限定ですので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
6,7巻はまだ文庫とKindle版も発売されていない状態になります。単行本(ハードカバー)は挿絵が入っていたりして、非常に凝った作りになっていますので、そちらもチェックしてみてください!
三島屋変調百物語シリーズのおすすめ
本シリーズは、本当に面白いので全ておすすめしたいところですが、中でも私のお気に入り巻を3冊ご紹介いたします。
1巻 おそろし 三島屋変調百物語事始
あらすじ
ある事件を境にぴたりと他人に心を閉ざしてしまった十七歳のおちか。
ふさぎ込む日々を、叔父夫婦が江戸で営む袋物屋「三島屋」に身を寄せ、黙々と働くことでやり過ごしている。
ある日、叔父の伊兵衛はおちかに、これから訪ねてくるという客の応対を任せると告げ、出かけてしまう。
客と会ったおちかは、次第にその話に引き込まれていき、いつしか次々に訪れる客のふしぎ話は、おちかの心を溶かし始める。三島屋百物語、ここに開幕。

「おそろし」はタイトルどおり恐ろしい話。途中までは面白いんだけど、最後は人間の怖い部分が出てきてゾクゾクするよ。
一番は、やはり記念すべき1巻目のおそろしです。
宮部さんにかかるとこうも重たく、暗く、人間の醜さが嫌になるほど伝わる話になるんだなあと感動した思い出があります。
一つの短編が読み終わる度、思わず怖い、と呟いてしまうほどです。もちろん、最後はすっきりするパターンです。
個人的にはホラー小説は苦手なんですが、宮部さんの物語はモノノ怪よりも人間の恐ろしさが重点的に描かれており、物語が面白いので全く苦になりません。
2巻 あんじゅう 三島屋変調百物語事続
あらすじ
一度にひとりずつ、百物語の聞き集めを始めた三島屋伊兵衛の姪・おちか。
ある事件を境に心を閉ざしていたおちかだったが、訪れる人々の不思議な話を聞くうちに、徐々にその心は溶け始めていた。
ある日おちかは、深考塾の若先生・青野利一郎から「紫陽花屋敷」の話を聞く。
それは、暗獣“くろすけ”にまつわる切ない物語であった。人を恋いながら人のそばでは生きられない“くろすけ”とは―。三島屋シリーズ第二弾!

おすすめは、「あんじゅう」の話。くろすけが癒やされる〜!だけど少し切ない話。
お次は2巻です!この巻もとても面白くて、なにより表紙の黒い怪異「あんじゅう」がかわいいです。
ただ、物語的には切なく、悲しいストーリーです。ですが人間の情念が感じられて、なんとも言えない気持ちにさせます。
1巻目と違って、少し明るめの短編が多いので1巻が気に入った方は、続けて2巻も手にとって見てください!
5巻 あやかし草紙 三島屋変調百物語伍之続
あらすじ
三島屋の主人伊兵衛は、傷ついた姪の心を癒やすため、語り捨ての変わり百物語を始めた。
悲しみを乗り越えたおちかが迎える新たな語り手は、なじみの貸本屋「瓢箪古堂」の若旦那勘一。
彼が語ったのは、読む者の寿命を教える不思議な冊子と、それに翻弄された浪人の物語だった。
勘一の話を引き金に、おちかは自身の運命を変える重大な決断を下すが……。
怖いけれども癖になる。三島屋シリーズ第五弾にして、第一期の完結編!

おちかがついに結婚する話。本当にまとまってよかった。シリーズを読んでる人なら胸にぐっとくるお話。
次にちょっと飛んで5巻です!
少しネタバレになるので嫌な方は見ないでいただきたいのですが、5巻でおちかが嫁入りします。
1巻からあんなに悩んで心に傷を負って、私なんか・・・という状態だったのにも関わらず、百物語を通して心身ともに成長していき、ついには結婚まで行けたのはとても感慨深いです。
おちかの話以外ももちろん読み応えがあります。おすすめ短編は、ちょっと泣かされる「だんまり姫」です!
三島屋変調百物語シリーズの登場人物
百物語の聞き手「おちか」
本作の舞台は江戸時代、袋物屋「三島屋」で預けられている17歳のおちかが、「変わり百物語」の聞き手になります。
とある出来事をきっかけに心に傷を負い、息抜きとして三島屋で「変わり百物語」を始めました。
おちかが心に傷を負った理由は、第一巻の「おそろし 三島屋変調百物語事始」にて語られています。
三島屋の次男「富次郎(とみじろう)」
三島屋の夫婦の次男、21歳の富次郎は奉公先「恵比寿屋」で揉め事に巻き込まれて怪我をして三島屋に戻ってました。
ある時から、おちかと一緒に「変わり百物語」を聞き始めるようになります。
富次郎が登場するのは第4巻の「三鬼 三島屋変調百物語四之続」からになります。
かなり好感が持てる好青年ですので、登場する回はぜひ御覧ください。
三島屋夫婦(伊兵衛/お民)
おちかの叔父である伊兵衛(いへえ)は、三島屋を袋物(柄が入った布袋など)で繁盛させたやり手の商人です。
伊兵衛と妻のお民(おたみ)はおちかを優しく見守っている人物です。
「変わり百物語」を始めたのも伊兵衛の思いつきで、おちかの良い息抜きになればいいと思い提案しました。
まとめ
三島屋シリーズはずっとおちかが聞き手として続いていくものだと思っていたのですが、途中で主人公が変わった時は非常に驚きました。
ちょっぴり寂しくもあり、楽しみでもあるんですが、そういった展開も含めて宮部さんの作品は面白いな〜と改めて思いました。
時代小説が好きな方はぜひ読んでいただきたい、名作シリーズの一つです。
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