【ファン必読】海外の古典ミステリー小説おすすめ8選|1800年代編

【ファン必読】海外の古典ミステリー小説おすすめ8選|1800年代編

海外の古典ミステリー小説おすすめ8選【1800年代〜編】

今回は1800年代に人気を誇った海外の古典ミステリー小説おすすめをご紹介します。
ミステリー小説の先駆けとなった名作たちは、どれも今読んでも全く遜色ない面白い作品ばかりです。

現代の作品も面白いものがたくさんありますが、古典を読んでこそ、真のミステリー好きを語れる思ってます。(完全主観です)
それでは行きましょう!

※1800年代選書の基準は、各著者の代表作が発表された年数順にしております。




海外の古典ミステリー小説おすすめ1
「モルグ街の殺人」エドガー・アラン・ポオ(1841年)

まず初めに、ミステリー小説というジャンルを作り出した元となる作品が「モルグ街の殺人」です。
こちらは短編小説なんですが、探偵役が素人探偵のC・オーギュスト・デュパンという男性です。デュパンこそが世界に初めて登場した探偵です。

古典なので少々読みにくいのと、物語がかなり暗く怖い話です。ですが、デュパンがどんどん事件を解決していくので、かなりの天才っぷりが伺えます。よくホームズの原型はポオのデュパンと言われますが、天才の部分などを参考にしたんだろうなと伺える人物像です。

また後のミステリー小説としてのプロットや構成、展開などがすでに出来ていて、その後のミステリー作品はこの作品を踏襲した部分があると思います。

古典ミステリーを読みたい方やミステリー小説を書きたい方は、一度読んでおくと面白いと思います。

あらすじ
19世紀アメリカの小説家・詩人であるエドガー・アラン・ポーの短編小説(佐々木直次郎による訳)。

ポー自身が編集主筆を務めていた「グレアムズ・マガジン」1841年号に掲載された。
パリのモルグ街で、人間離れした怪力で母娘が殺される事件が起きる。しかも現場は密室だった。

謎の事件の解明に、オーギュスト・デュパンが乗り出す。史上初の推理小説とされている。

海外の古典ミステリー小説おすすめ2
「荒涼館」チャールズ・ディケンズ(1852年)

全4巻にも渡る長編ミステリー小説です。著者ディケンズは「クリスマス・キャロル」などの児童文学で人気ですが、「荒涼館」は中期作品の中で一番の名作と言っても過言ではありません。

今作は英国ヴィクトリア朝時代の社会批判した作品で社会小説とも呼ばれますが、推理小説としての要素も含まれています。

登場人物が本当に多く、1巻は読むのが大変かもしれません。ただ、2巻目から物語が動き出して読み応え満載になります。

あらすじ
「おまえはおかあさんの恥でした」
──両親の名も顔も知らず厳しい代母に育てられたエスターと、あまたの人を破滅させてなお継続する「ジャーンダイス訴訟」。

この二つをつなぐ輪は何か? ミステリと社会小説を融合し、呪われた裁判に巻き込まれる人々を軸に、貴族から孤児まで、19世紀英国の全体を書ききったディケンズの代表作。(全四冊)

海外の古典ミステリー小説おすすめ3
「ルルージュ事件」エミール・ガボリオ(1866年)

著者のエミール・ガボリオはフランスの作家で、世界初の長編推理小説と呼ばれる作品です。

本作は探偵ルコックシリーズの1巻で、ルコックの師匠であるタバレ先生が主人公になります。ルコックは脇役です。ある意味シリーズのスピンオフにあたるかもしれません。

ある時、ルルージュという寡婦(未亡人)が部屋で背中を刺され何者かに殺されていました。
彼女の身辺調査をするために過去を洗い出すと、思わず事実が明かされていきます。

登場人物の心理描写がかなり上手く、思わず読み入ってしまうこと間違いなしの作品です。

あらすじ
一八六二年三月六日、パリ近郊のラ・ジョンシェール村で、寡婦クローディーヌ・ルルージュが殺害死体で発見された。

夫人は素性を周囲に明かしておらず事件は謎につつまれる。
隠された夫人の過去にはいったい何があったのか。思わぬ展開を見せる事件の前に、素人探偵タバレの親父がたどりついた驚愕の結末とは―。




海外の古典ミステリー小説おすすめ4
「月長石」W・ウィルキー・コリンズ(1868年)

イギリスの作家ウィルキー・コリンズによる長編推理小説です。
キャッツ」などを執筆したT・S・エリオットによると、「最初の、最長の、最上の探偵小説」、「最大にして最良の推理小説」と言うほどの名作です。

物語は月長石(ムーンストーン)と呼ばれる宝石が失くなった謎を、主人公のカッフ巡査部長が解く物語です。
どっちかというと謎よりも恋愛要素が強めのストーリーで、人物描写がかなり上手く読み応えがあります。当時はミステリーよりも恋愛ものが流行っていたかもしれないですね。

物語としてはとても面白いので、おすすめです!

あらすじ
インド寺院の宝〈月長石〉は数奇な運命の果て、イギリスに渡ってきた。

しかし、その行くところ、常に無気味なインド人の影がつきまとう。
そしてある晩、秘宝は持ち主の家から忽然と消失してしまった。

警視庁のけんめいの捜査もむなしく、〈月長石〉のゆくえは杳として知れない。「最大にして最良の推理小説」といわれる古典的名作の完訳。

海外の古典ミステリー小説おすすめ5
「鉄仮面」フォルチュネ・デュ・ボアゴベイ(1878年)

フランスの作家デュ・フォルチェネ・ボアゴベによる代表作「鉄仮面」です。主に推理小説・歴史小説を書きます。

今作は、ルイ14世に対して謀反を起こそうと計画を練るモリス夫妻たちなどの数奇が運命を描く冒険ものです。途中で謎の鉄仮面が登場するのですが、彼が一体誰なのか?という謎要素も混じっています。

元々この作品の原書は「サン・マールの二羽のつぐみ」というもので、「鉄仮面」は英訳から翻訳されたので原書と結末が異なっていたりします。

あらすじ
1879年、当代きってのフランスの人気作家ボアゴベによって書かれた『鉄仮面』は、日本に於ても明治の黒岩涙香の翻訳以来、広く親しく読み継がれてきた。

居酒屋〈破れ絹〉亭で密議をこらす青年貴族モリスと恋人ヴァンダ。
ルイ14世に対する謀反の計画に叛乱の騎士達が集結する。罠に堕ちたモリスの運命は、謎の鉄仮面の行方は……。

フランス語原典による初の完訳の文庫化。上下2巻。

海外の古典ミステリー小説おすすめ6
「安全マッチ」アントン・チェーホフ(1884年)

著者のアントン・チェーホフはロシアの劇作家です。
いくつか短編を発表しているのですが中でも「安全マッチ」が代表作で、上記の「世界推理短編傑作集1」に収録されています。

物語はとある男性が突如行方知れずになりました。手がかりは現場に残された安全マッチだけ。
短編なのであらすじはこれくらいにしておきますが、最後は好き嫌いが分かれるかもしれません。個人的には好きでした。

収録作品:
「盗まれた手紙」エドガー・アラン・ポオ 丸谷才一訳
「人を呪わば」ウィルキー・コリンズ 中村能三訳
「安全マッチ」アントン・チェーホフ 池田健太郎訳
「赤毛組合」アーサー・コナン・ドイル 深町眞理子訳
「レントン館盗難事件」アーサー・モリスン 宇野利泰
「医師とその妻と時計」アンナ・キャサリン・グリーン 井上一夫訳
「ダブリン事件」バロネス・オルツィ 深町眞理子訳
「十三号独房の問題」ジャック・フットレル 宇野利泰訳




海外の古典ミステリー小説おすすめ7
「二輪馬車の秘密」ファーガス・ヒューム(1886年)

英国出身のファーガス・ヒュームはかなりの推理小説を書いた作家なんですが、唯一ヒットした作品が「二輪馬車の秘密」というデビュー作です。

今作は、二輪馬車の中でとある紳士殺害される事件が起こり、謎を調査する話です。
最初は単純な事件かと思いきや、物語が進むにつれどんどん展開が面白くなっていきます。

古い作品なので言い回しも古いのですが、今読んでも面白さに全く遜色がないのはさすがのクオリティといったところでしょう。

あらすじ
夜更けの街を走る二輪馬車のなかで、身元不明の紳士が殺害された!
事件は予想をこえたドラマティックな展開を見せる……

19世紀ミステリー界最大のベストセラー。横溝正史の抄訳でも知られる記念碑的作品が完訳で登場!

江戸川乱歩曰く、「たった一冊の本だけで探偵小説史に名を連ねている作家……この実に奇妙な作家の名はファーガス・ヒューム」。
その作品こそ、『二輪馬車の秘密』である。

ガボリオの『ルコック探偵』に触発されたヒュームが書きおろし、1886年にメルボルンで自費出版したところ、たちまち大ヒット。作家の生前に、全世界で75万部を売りあげ、『月長石』やシャーロック・ホームズをはるかにこえて、19世紀ミステリー界最大のベストセラーとなった。
深夜の馬車の乗客が殺害されるという導入部から、検死審問、被害者の身元捜査、容疑者特定と追跡、心理戦と法廷劇を経て、物語は予想外の展開をたどる。謎解きの興趣のみならず、都市風俗の活写、叙述スタイルの変化、そして人間ドラマとロマンスが全編をまとめあげる、ミステリー黎明期の記念碑的作品。

海外の古典ミステリー小説おすすめ8
「緋色の研究」コナン・ドイル(1887年)

最後にご紹介するのは、誰もが知っているシャーロック・ホームズの生みの親、コナン・ドイルです!
一番最初の探偵はデュパンですが、ホームズは世界で一番有名な探偵と言われています。

ホームズは変わった男ですが観察眼はとんでもなく、初めて会ったワトソンを一目見ただけでインドから戻ってきたことを見抜いたあの衝撃は、読者の中でも有名な話でしょう。
ホームズの熱狂的なファンを「シャーロキアン」と呼ばれるほど世界中の人々から愛されています。実は日本でもファンクラブがあるほど。

「緋色の研究」ですが、シリーズ1巻目でホームズとワトソンが出会い、共にベーカー街街221番地Bに住み、ワトソンにとって初めて事件に直面する話です。
短めですがとても面白いのでぜひ読んでみてください!

ちなみに以下で感想も語っています。

緋色の研究(コナン・ドイル)のあらすじと感想|シャーロック・ホームズシリーズ1巻目
緋色の研究(コナン・ドイル)のあらすじと感想|シャーロック・ホームズシリーズ1巻目

あらすじ
従軍から帰国し、ロンドンで同居人を探していたワトスンが紹介された不思議な男。

アフガニスタンに行っていましたね―。
初対面でそう言い当てられ、度肝を抜かれたその男こそ、怜悧な観察眼を備えた名探偵シャーロック・ホームズだった。

若き日のホームズとワトスンがベイカー街221番地Bに一緒に住むことになったいきさつと、初めてふたりで取り組んだ難事件を描く記念碑的長編。今最も定評ある訳者の新訳でおくる傑作。




まとめ

いかがでしたでしょうか。
今回は1800年代だけに絞ってご紹介しましたが、数々の名作は今読んでも遜色なく楽しめます。
もちろん古典ですので読みにくいところは多々ありますが、いずれ出版社が新訳を出してくれるんじゃないかなと期待しています。

1900年代の作品については別の記事でご紹介していこうと思います。

現代の小説も面白いですが、たまには古典小説を読みながら当時の文化に触れると世界が広がると思います。
ぜひ読んでみてください。

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