【TOP20】このミステリーがすごい!2023年版ランキング|国内・海外20作品

【TOP20】このミステリーがすごい!2023年版ランキング|国内・海外20作品

つい先日発売された、2023年版「このミステリーがすごい!」の国内・海外作品ランキングが発表されました!
今回もかなり面白い作品が揃っていて、これを機会に年末年始休暇で読まれることをおすすめします。

それでは作品を見ていきましょう!

本・マンガのお得情報
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「ゆるキャン」など有名な作品が読み放題に入ってるので結構お得です。(角川の本が対象です)

【国内編】「このミステリーがすごい!」(2023年版)

第1位 「爆弾」/ 呉勝浩

堂々一位に輝いたのは「爆弾」です!
この作品は直木賞候補作としても挙げられていて、非常に読み応えのある社会ミステリー小説となっています。

“爆弾魔”と思われる容疑者VS刑事たちの心理戦が繰り広げられており、爆弾をしかけた場所のヒントを会話の中で散りばめているシーンなどはなかなか面白いです。
あっという間に読み尽くしてしまうこと間違いない作品です。

読んだ感想はこちら。

爆弾(呉 勝浩)のあらすじと感想|爆弾魔との心理ゲーム【2022年直木賞候補作品】
爆弾(呉 勝浩)のあらすじと感想|爆弾魔との心理ゲーム【2022年直木賞候補作品】

あらすじ
些細な傷害事件で、とぼけた見た目の中年男が野方署に連行された。
たかが酔っ払いと見くびる警察だが、男は取調べの最中「十時に秋葉原で爆発がある」と予言する。

直後、秋葉原の廃ビルが爆発。まさか、この男“本物”か。さらに男はあっけらかんと告げる。
「ここから三度、次は一時間後に爆発します」。

警察は爆発を止めることができるのか。
爆弾魔の悪意に戦慄する、ノンストップ・ミステリー。




第2位 「名探偵のいけにえ 人民教会殺人事件」/ 白井智之

こちらの作品は恐らく、人を選ぶ作品だと思います。
ミステリー小説全般に言えることですが、トリックを重視するか、または物語を重視するかで言えばこの作品はトリックがメインです。

ですのでトリック大好きな方にはおすすめします〜!また、カルト教団が舞台なのでそういう意味では面白いです。
読んだ感想はこちら。

名探偵のいけにえ(白井智之)のあらすじと感想|このミス2位の大人気ミステリー
名探偵のいけにえ(白井智之)のあらすじと感想|このミス2位の大人気ミステリー

あらすじ
病気も怪我も存在せず、失われた四肢さえ蘇る、奇蹟の楽園ジョーデンタウン。
調査に赴いたまま戻らない助手を心配して教団の本拠地に乗り込んだ探偵・大塒は、次々と不審な死に遭遇する。

奇蹟を信じる人々に、現実世界のロジックは通用するのか?
圧巻の解決編一五〇ページ!
特殊条件、多重解決推理の最前線!

第3位 「捜査線上の夕映え」/ 有栖川有栖

こちらは大人気の、犯罪学者の火村シリーズの最新刊です!
トリックメインではなく、どちらかというと情緒的な雰囲気漂う作品なので火村シリーズのファンは必読ですね。

個人的にはめちゃくちゃ好きな雰囲気だったので、おすすめしたいところです。
火村シリーズについては以下でまとめていますので、ご覧ください。

【最新版】火村シリーズ(有栖川有栖)の読む順番一覧|別名「作家アリスシリーズ」
【最新版】火村シリーズ(有栖川有栖)の読む順番一覧|別名「作家アリスシリーズ」

あらすじ
「臨床犯罪学者 火村英生シリーズ」誕生から30年! 最新長編は、圧倒的にエモーショナルな本格ミステリ。
一見ありふれた殺人事件のはずだった。火村の登場で、この物語は「ファンタジー」となる。

大阪の場末のマンションの一室で、男が鈍器で殴り殺された。金銭の貸し借りや異性関係のトラブルで、容疑者が浮上するも……。

「俺が名探偵の役目を果たせるかどうか、今回は怪しい」
火村を追い詰めた、不気味なジョーカーの存在とは――。

コロナ禍を生きる火村と推理作家アリスが、ある場所で直面した夕景は、佳き日の終わりか、明日への希望か――。

第4位 「方舟」/ 夕木春央

突然、絶対絶命の状況に陥られた時に殺人事件が起きます。
状況的にはある意味「屍人荘の殺人」と似ていますが、衝撃的な結末は余裕で上回りました。

読了した方は、以下の専用サイトも用意されています。パスワードがかかっているのでぜひやってみてください!!
方船の公式サイト

あらすじ
9人のうち、死んでもいいのは、ーー死ぬべきなのは誰か?

大学時代の友達と従兄と一緒に山奥の地下建築を訪れた柊一は、偶然出会った三人家族とともに地下建築の中で夜を越すことになった。
翌日の明け方、地震が発生し、扉が岩でふさがれた。さらに地盤に異変が起き、水が流入しはじめた。いずれ地下建築は水没する。

そんな矢先に殺人が起こった。
だれか一人を犠牲にすれば脱出できる。生贄には、その犯人がなるべきだ。ーー犯人以外の全員が、そう思った。

タイムリミットまでおよそ1週間。それまでに、僕らは殺人犯を見つけなければならない。




第5位 「プリンシパル」/ 長浦京

唐突にヤクザをやることになった主人公が、抗争に巻き込まれていく話です。
完全にクライム小説なんですが、人がぎょーさん死にます。
小野さんの「屍鬼」とどっちが多く死んでいるのか勝負してもいいくらいですね。

クライム小説が好きな方にはおすすめの作品です。

あらすじ
1945年、東京。大物極道である父の死により、突如、その「代行」役となることを余儀なくされた綾女。
大物議員が巡らす陥穽。GHQの暗躍。覇権を目論む極道者たちの瘴気……。

綾女が辿る、鮮血に彩られた謀略と闘争の遍歴は、やがて、戦後日本の闇をも呑み込む、漆黒の終局へと突き進む!
脳天撃ち抜く怒濤の犯罪巨編、堂々開幕。

第6位 「爆発物処理班の遭遇したスピン」/ 佐藤究

こちらは直木賞作家の佐藤究さんの最新作です。
全8編からなる作品ですが、全体的にホラー色が強く感じる短編が揃っています。超安定の力作が揃ってます!

個人的に表題作の「爆発物処理班の遭遇したスピン」、「ジェリー・ウォーカー」が好みでした。

ちなみに佐藤究さんが直木賞を取った作品は、以下でもご紹介しています。

テスカトリポカ(佐藤究)のあらすじと感想(考察)|生きたまま心臓をえぐる凄惨な祝宴
テスカトリポカ(佐藤究)のあらすじと感想/考察|生きたまま心臓をえぐる凄惨な祝宴

あらすじ
爆発物処理班の遭遇したスピン…鹿児島県の小学校に、爆破予告が入る。
急行した爆発物処理班の駒沢と宇原が目にしたのは黒い箱。処理を無事終えたと安心した刹那、爆発が起き駒沢は大けがを負ってしまう。

事態の収拾もつかぬまま、今度は、鹿児島市の繁華街にあるホテルで酸素カプセルにも爆弾を設置したとの連絡が入った。
カプセルの中には睡眠中の官僚がいて、カバーを開ければ即爆発するという。

さらに同時刻、全く同じ爆弾が沖縄の米軍基地にも仕掛けられていることが判明。事件のカギとなるのは量子力学!?
他に、日本推理作家協会賞短編部門候補「くぎ」、「ジェリーウォーカー」「シヴィルライツ」「猿人マグラ」「スマイル・ヘッズ」「ボイルド・オクトパス」「九三式」を収録。

第7位 「同志少女よ、敵を撃て」/ 逢坂冬馬

こちらもいろんな賞を総なめした話題作品です。
いわゆる戦争小説なんですが、女性だけで構成される狙撃兵集団に焦点を当てた物語で、非常に面白いです。

物語背景は第二次世界大戦のドイツ対ソ連の話なので、緊迫感があって先が怖くなりますが、読み応えは抜群です。

読んだ感想はこちら。

【本屋大賞】同志少女よ、敵を撃て(逢坂冬馬)のあらすじと感想|戦場を生き抜く狙撃兵の結末
同志少女よ、敵を撃て(逢坂冬馬)のあらすじと感想|戦場を生き抜く狙撃兵の結末

あらすじ
独ソ戦が激化する1942年、モスクワ近郊の農村に暮らす少女セラフィマの日常は、突如として奪われた。
急襲したドイツ軍によって、母親のエカチェリーナほか村人たちが惨殺されたのだ。
自らも射殺される寸前、セラフィマは赤軍の女性兵士イリーナに救われる。

「戦いたいか、死にたいか」――そう問われた彼女は、イリーナが教官を務める訓練学校で一流の狙撃兵になることを決意する。
母を撃ったドイツ人狙撃手と、母の遺体を焼き払ったイリーナに復讐するために。

同じ境遇で家族を喪い、戦うことを選んだ女性狙撃兵たちとともに訓練を重ねたセラフィマは、やがて独ソ戦の決定的な転換点となるスターリングラードの前線へと向かう。
おびただしい死の果てに、彼女が目にした“真の敵”とは?




第8位 「大鞠家殺人事件」/ 芦辺拓

タイトルどおり、大鞠家で起こる奇妙な連続殺人が本筋の作品です。
こちらも好き嫌いが分かれそうな作品ですが、人物描写や物語の展開が丁寧に描かれている印象を受けたので個人的には面白かったです。
(方言がちょっとわかりにくかったですが)

本格推理ものが好きな方にはおすすめです。

あらすじ
大阪の商人文化の中心地として栄華を極めた船場――戦下の昭和18年、婦人化粧品販売で富を築いた大鞠家の長男に嫁ぐことになった陸軍軍人の娘、中久世美禰子。

だが夫は軍医として出征することになり、一癖も二癖もある大鞠家の人々のなかに彼女は単身残される。
戦局が悪化の一途をたどる中、大鞠家ではある晩“流血の大惨事”が発生する。

危機的状況の中、誰が、なぜ、どうやってこのような奇怪な殺人を? 正統派本格推理の歴史に新たな頁を加える傑作長編ミステリ!

第9位 「地図と拳」/ 小川哲

物語は満州を舞台にしていて、どんどんいろんな人物へと視点が変わっていきます。
全600ページの超大作ですが、熱量がすごい上に、非常に面白くてサラッと読めてしまいました。

それにしても装丁が好きすぎて、今回のランキングの中では1位だと個人的に思ってます。

あらすじ
「君は満洲という白紙の地図に、夢を書きこむ」

日本からの密偵に帯同し、通訳として満洲に渡った細川。ロシアの鉄道網拡大のために派遣された神父クラスニコフ。叔父にだまされ不毛の土地へと移住した孫悟空。地図に描かれた存在しない島を探し、海を渡った須野……。

奉天の東にある〈李家鎮〉へと呼び寄せられた男たち。「燃える土」をめぐり、殺戮の半世紀を生きる。

ひとつの都市が現われ、そして消えた。
日露戦争前夜から第2次大戦までの半世紀、満洲の名もない都市で繰り広げられる知略と殺戮。日本SF界の新星が放つ、歴史×空想小説。

第9位 「リバー」/ 奥田英朗

同着でランクインしたのは、大御所の奥田さんの最新作です。

こちらも600ページほどある超大作なんですが、人物描写が丁寧なので最後まで面白く読めます。
特に犯人が最後まで読めなかったのも、とてもよかったです!

個人的に「空中ブランコ」が一番好きなので、これを機会にチェックしてみてください。

あらすじ
同一犯か? 模倣犯か?
群馬県桐生市と栃木県足利市を流れる渡良瀬川の河川敷で相次いで女性の死体が発見!
十年前の未解決連続殺人事件と酷似した手口が、街を凍らせていく。

かつて容疑をかけられた男。取り調べを担当した元刑事。
娘を殺され、執念深く犯人捜しを続ける父親。
若手新聞記者。一風変わった犯罪心理学者。新たな容疑者たち。

十年分の苦悩と悔恨は、真実を暴き出せるのかーー
人間の業と情を抉る無上の群像劇×緊迫感溢れる圧巻の犯罪小説!

第11位 「此の世の果ての殺人」/ 荒木あかね

あらすじ
小惑星「テロス」が日本に衝突することが発表され、世界は大混乱に陥った。そんなパニックをよそに、小春は淡々とひとり太宰府で自動車の教習を受け続けている。小さな夢を叶えるために。

年末、ある教習車のトランクを開けると、滅多刺しにされた女性の死体を発見する。教官で元刑事のイサガワとともに、地球最後の謎解きを始めるーー。

第12位 「ダミー・プロット」/ 山沢晴雄

あらすじ
「すでに冒頭のシーンから、作者の仕掛けは始まっております。ご用心ください」
――友人・小島逸夫の愛人が何者かに殺害された。結婚を控えた彼の頼みを聞きいれて、商社マンの風山秀樹はアリバイの偽証工作を引き受ける。

そして同じ夜、会社員の柴田初子は、著名なデザイナーの岸浜涼子の提案によって、彼女の替え玉を務めるという奇妙な契約を交わしていた。
錯綜する人間関係から浮かび上がる驚愕の真相。

同人誌でしか入手できず、いまは幻となっていた著者の代表長編をついに創元推理文庫に収める。本格推理愛好家、垂涎の一冊!

第13位 「#真相をお話しします」/ 結城真一郎

あらすじ
家庭教師の派遣サービス業に従事する大学生が、とある家族の異変に気がついて……(「惨者面談」)。

不妊に悩む夫婦がようやく授かった我が子。しかしそこへ「あなたの精子提供によって生まれた子供です」と名乗る別の〈娘〉が現れたことから予想外の真実が明らかになる(「パンドラ」)。

子供が4人しかいない島で、僕らはiPhoneを手に入れ「ゆーちゅーばー」になることにした。でも、ある事件を境に島のひとびとがやけによそよそしくなっていって……(「#拡散希望」)など、昨年「#拡散希望」が第74回日本推理作家協会賞を受賞。

そして今年、第22回本格ミステリ大賞にノミネートされるなど、いま話題沸騰中の著者による、現代日本の〈いま〉とミステリの技巧が見事に融合した珠玉の5篇を収録。

第14位 「ループ・オブ・ザ・コード」/ 荻堂顕

あらすじ
疫病禍を経験した未来。WEO(世界生存機関)に所属するアルフォンソは、20年前に歴史の一切が〈抹消〉された、かつての独裁国家〈イグノラビムス〉へと派遣される。
いまや多数の欧米企業が参入し、「再生のテーマパーク」とも揶揄される彼の国で、児童200名以上が原因不明の発作に見舞われる奇病を発症、その現地調査を命じられたのだった。

サウダージという言葉に背を向け続けてきた者として、民族のアイデンティティが消去された〈イグノラビムス〉に居心地の良さを覚えはじめるアルフォンソ。しかし、時を同じくして、非常事態が発生。〈抹消〉の元凶となった生物兵器が何者かによって強奪されたのだ。

そして、「悲劇」の再来を恐れたWEO事務総長から、密命を言い渡される……。国家機関単位の任務を、たった数人で遂行することになったアルフォンソたちが辿り着く、衝撃の真実とは、一体。

生命倫理の根幹と善悪の境界を問う、近未来諜報小説の新たな地平。

第15位 「録音された誘拐」/ 阿津川 辰海

あらすじ
彼女は誰より耳が良い。
すべての音が手掛かりになる――大野探偵事務所の所長・大野糺が誘拐された!?
耳が良いのがとりえの助手・山口美々香は様々な手掛かりから、微妙な違和感を聞き逃さず真実に迫るが、その裏には15年前のある事件の影があった。

誘拐犯VS.探偵たちの息詰まる攻防、二転三転する真相の行方は……。
新世代本格ミステリーの旗手が描く、二度読み必至の令和の誘拐劇。この真相は、たぶん、あなたには聞こえない。

第16位 「馬鹿みたいな話!昭和36年のミステリ」/ 辻 真先

あらすじ
生放送中のテレビスタジオで主演女優が殺害された! 自らが手掛けたミュージカル仕立てのドラマ撮影現場での殺人に、駆け出しミステリ作家・風早勝利と、名バイプレイヤー・那珂一平が挑む!

戦前の名古屋を活写した『深夜の博覧会 昭和12年の探偵小説』、年末ミステリランキングを席巻した『たかが殺人じゃないか 昭和24年の推理小説』に続く、〈昭和ミステリ〉シリーズ第三弾。
ミステリ作家デビュー50周年&卒寿記念出版。

第17位 「煉獄の時」/ 笠井 潔

あらすじ
1978年6月。ナディアは著名な作家のシスモンディに、友人・矢吹駆を紹介する。
シスモンディのパートナーであり、戦後フランス思想家の頂点に立つクレールが彼女にあてた手紙が消失した謎を駆に解き明かしてほしいというのだ。

しかし手紙をネタに誘い出されたシスモンディとナディアは、セーヌ川に係留中の船で全裸の女性の首なし屍体を発見する。
事件の調査のためリヴィエール教授を訪ねると、彼は若き日の友人、イヴォン・デュ・ラブナンのことを語り始める。

39年前、イヴォンも首なし屍体事件に遭遇したというのだーー。

第18位 「救国ゲーム」/ 結城真一郎

あらすじ
“奇跡”の限界集落で発見された惨殺体。その背後には、狂気のテロリストによる壮絶な陰謀が隠されていたーー。

〈ドローン無差別攻撃〉のタイムリミットが迫るなか、集落の住人である陽菜子と〈死神〉の異名を持つエリート官僚・雨宮は、日本の存亡を賭けた不可能犯罪の謎に挑む。俊英が放つ、堂々たる本格ミステリ長編。

第19位 「俺ではない炎上」/ 浅倉秋成

あらすじ
ある日突然、「女子大生殺害犯」とされた男。
既に実名・写真付きでネットに素性が曝され、大炎上しているらしい。まったくの事実無根だが、誰一人として信じてくれない。

会社も、友人も、家族でさえも。ほんの数時間にして日本中の人間が敵になってしまった。必死の逃亡を続けながら、男は事件の真相を探る。

第20位 「N」/ 道尾秀介

あらすじ
全六章。読む順番で、世界が変わる。
あなた自身がつくる720通りの物語。

すべての始まりは何だったのか。
結末はいったいどこにあるのか。

「魔法の鼻を持つ犬」とともに教え子の秘密を探る理科教師。
「死んでくれない?」鳥がしゃべった言葉の謎を解く高校生。
定年を迎えた英語教師だけが知る、少女を殺害した真犯人。
殺した恋人の遺体を消し去ってくれた、正体不明の侵入者。
ターミナルケアを通じて、生まれて初めて奇跡を見た看護師。
殺人事件の真実を掴むべく、ペット探偵を尾行する女性刑事。

道尾秀介が「一冊の本」の概念を変える。

21位以下の作品や、著名作家による選評については以下をご覧ください。




【海外編】「このミステリーがすごい!」(2023年版)

第1位 「われら闇より天を見る」/ クリス・ウィタカー

この作品は、日本・海外のランクイン作品の中で一番好きな作品でした。
好き嫌い分かれるかもしれませんが、”罪”とは一体なんなのか?と考えさせられる物語です。

映画化されたら見に行きたい作品の一つ。
感想は以下で語ってます。

「われら闇より天を見る」の感想とあらすじ|アメリカ社会が生み出す悲劇
「われら闇より天を見る」の感想とあらすじ|アメリカ社会が生み出す悲劇

あらすじ
「それが、ここに流れてるあたしたちの血。あたしたちは無法者なの」 アメリカ、カリフォルニア州。海沿いの町ケープ・ヘイヴン。
30年前にひとりの少女命を落とした事件は、いまなお町に暗い影を落としている。

自称無法者の少女ダッチェスは、30年前の事件から立ち直れずにいる母親と、まだ幼い弟とともに世の理不尽に抗いながら懸命に日々を送っていた。
町の警察署長ウォークは、かつての事件で親友のヴィンセントが逮捕されるに至った証言をいまだに悔いており、過去に囚われたまま生きていた。

彼らの町に刑期を終えたヴィンセントが帰ってくる。
彼の帰還はかりそめの平穏を乱し、ダッチェスとウォークを巻き込んでいく。
そして、新たな悲劇が……。

苛烈な運命に翻弄されながらも、 彼女たちがたどり着いたあまりにも哀しい真相とはーー?人生の闇の中に差す一条の光を描いた英国推理作家協会賞最優秀長篇賞受賞作。解説:川出正樹

第2位 「殺しへのライン」/ アンソニー・ホロヴィッツ

こちらはホーソン&ホロヴィッツシリーズの3巻目になります。
今回もかなり面白いので、ホロヴィッツ好きはぜひ読んでみてください。

著者ならではの言葉遊びが大量に散りばめられていて、タイトルにも伏線があったりします。

読んだ感想とシリーズ一覧はこちら。

「殺しへのライン」のあらすじと感想|一体誰が嘘をついているのか?
「殺しへのライン」のあらすじと感想|一体誰が嘘をついているのか?

ホーソーン&ホロヴィッツシリーズ(アンソニーホロヴィッツ)の読む順番一覧|未完結大人気ミステリーシリーズ
ホーソーン&ホロヴィッツシリーズ(アンソニーホロヴィッツ)の読む順番一覧|未完結大人気ミステリーシリーズ

あらすじ
『メインテーマは殺人』の刊行まであと3ヵ月。プロモーションとして、探偵ダニエル・ホーソーンとわたし、作家のアンソニー・ホロヴィッツは、初めて開催される文芸フェスに参加するため、チャンネル諸島のオルダニー島を訪れた。

どことなく不穏な雰囲気が漂っていたところ、文芸フェスの関係者のひとりが死体で発見される。
椅子に手足をテープで固定されていたが、なぜか右手だけは自由なままで……。

傑作『メインテーマは殺人』『その裁きは死』に並ぶ、〈ホーソーン&ホロヴィッツ〉シリーズ最新刊!

第3位 「ポピーのためにできること」/ ジャニス・ハレット

あらすじ
イギリスの田舎町で劇団を主宰するマーティン・ヘイワードは地元の名士。
次回公演を控えたある日、彼は劇団員に一斉メールを送り、2歳の孫娘ポピーが難病を患っていると告白。

高額な治療費を支援するため人々は募金活動を開始したが、この活動が思わぬ悲劇を引き起こす。

関係者が残した大量のメール、テキスト・メッセージ、メモ書き、新聞記事、SNS投稿。資料の山から浮かび上がる、殺人事件の真相とは?
ーーイギリスで20万部突破、タイムズ紙が「21世紀のアガサ・クリスティー」と評した犯人探しミステリー。圧巻のデビュー作!

第4位 「名探偵と海の悪魔」/ スチュアート・タートン

こちらは「イヴリン嬢は七回殺される」を執筆した著者の二作目です。
前作が好きな方はこちらも面白いと思います。ただ、個人的にはイヴリン〜のほうが好きだったかなあ。

「イヴリン嬢は七回殺される」あらすじと感想|犯人を見つけるまでループから出られない?
「イヴリン嬢は七回殺される」あらすじと感想|犯人を見つけるまでループから出られない?

あらすじ
バタヴィアからオランダへ向かう帆船ザーンダム号に乗船しようとしていた名探偵サミー・ピップスと助手のアレントら乗客たちに、血染めの包帯で顔を覆った男がそう宣言した。その直後、男は炎に包まれて死を遂げる。名探偵として名を轟かすピップスだが、いまの彼は罪人として護送される途上にあり、この怪事件を前にしてもなすすべがなかった。

 オランダへと帰国するバタヴィア総督一家らを乗せ、ザーンダム号が出航せんとしたとき、新たな怪事が発生したーー風を受けてひるがえった帆に、悪魔〈トム翁〉の印が黒々と浮かび上がったのだ! やがて死んだはずの包帯男が船内に跳梁し、存在しないはずの船の灯りが夜の海に出現、厳重に保管されていた極秘の積荷が忽然と消失する。すべては悪魔の仕業なのだろうか?

 わきおこる謎また謎。だが名探偵は牢にいる。元兵士の助手アレントは、頭脳明晰な総督夫人サラとともに捜査を開始するも、鍵のかかった密室で殺人が!

第5位 「優等生は探偵に向かない」/ ホリー・ジャクソン

個人的にはこちらに1位がきてほしかった作品。
「自由研究には向かない殺人」シリーズ2巻目なんですが、ピップが最初の事件から批判を浴びながらももう一度別の事件の調査を担当します。

キャラクターの人物描写が素晴らしくて、海外ドラマが好きな方には読み応え抜群の作品です。

読んだ感想やシリーズ一覧は以下でご紹介しています。

優等生は探偵に向かない(ホリージャクソン)のあらすじと感想|シリーズ2巻目
優等生は探偵に向かない(ホリージャクソン)のあらすじと感想|シリーズ2巻目

自由研究には向かない殺人シリーズ(ホリー・ジャクソン)の読む順番一覧|全4部作完結済み
自由研究には向かない殺人シリーズ(ホリー・ジャクソン)の読む順番一覧|全4部作完結済み

あらすじ
高校生のピップは、友人のコナーから失踪した兄の行方を探してくれと依頼される。
兄のジェイミーは、2週間ほど前から様子がおかしかったらしい。コナーの希望で、ピップはポッドキャストで調査の進捗を配信し、リスナーから手がかりを集めていく。

関係者へのインタビューやSNSなども丹念に調べることで、少しずつ明らかになっていく、失踪までのジェイミーの行動。
ピップの類い稀な推理が、事件の恐るべき真相を暴きだす。年末ミステリランキング第1位『自由研究には向かない殺人』続編。この衝摯の結末を、どうか見逃さないでください!




第6位 「黒き荒野の果て」/ S・A・コスビー

あらすじ
米国南部の町で自動車修理工場を営むボーレガード。
裏社会で語り継がれる伝説のドライバーだった彼は、足を洗い家族とまっとうに暮らしていた。

だが工場の経営が傾きだしたことで運命の歯車は再び狂い始める。
金策に奔走するボーレガードに昔の仲間が持ちかけてきたのは宝石店強盗の運転役。

それは家族を守るための最後の仕事になるはずだった。ギャングの抗争に巻き込まれるまではー。2021年マカヴィティ賞、アンソニー賞、バリー賞、3冠!

第7位 「ロンドン・アイの謎」/ シヴォーンダウド

あらすじ
12歳のテッドは、姉といとこのサリムと観覧車ロンドン・アイに乗りにでかけた。
見知らぬ男がチケットを1枚だけくれたので、サリムは大勢の乗客と一緒に観覧車のカプセルに乗りこんだ。

だがカプセルが一周しても、サリムは降りてこなかった。閉ざされた場所からなぜ、どうやって消えてしまったのか?

「ふつうの人とはちがう」脳の仕組みを持ち、大人顔負けの論理を駆使する少年テッドが謎に挑む!
カーネギー賞受賞作家が贈る清々しい謎解き長編。

第8位 「彼は彼女の顔が見えない」/ アリス・フィーニー

あらすじ
アダムとアメリアの夫婦はずっとうまくいっていなかった。
そんなふたりは、カウンセラーの助言を受け、旅行へと出かける。

ふたりきりで滞在することになったのは、スコットランドの山奥にある、宿泊できるように改装された古いチャペル。
彼らは分かっている。
この旅行が結婚生活を救うか、とどめの一撃になるかのどちらかだと。

だが、この旅行にはさまざまな企みが隠されていたーー。不審な出来事が続発するなか、大雪で身動きがとれなくなるふたり。だれが何を狙っているのか? どんでん返しの女王が放つ、驚愕また驚愕の傑作サスペンス!

第9位 「スクイズ・プレー」/ ポール・ベンジャミン

あらすじ
私立探偵マックスが受けた依頼は、元大リーガー、チャップマンからのものだった。
キャリアの絶頂時に交通事故で片脚を失い、今は議員候補となった彼に脅迫状が送られてきたのだ。

殺意を匂わせる文面から、かつての事故にまで疑いを抱いたマックスは、いつしか底知れぬ人間関係の深淵へ足を踏み入れることになる……。
ポール・オースター幻のデビュー作にして正統派ハードボイルド小説の逸品。

第10位 「魔王の島」/ ジェローム・ルブリ

あらすじ
祖母の訃報を受け、彼女は孤島に渡った。終戦直後に祖母とここで働き始めた者たちだけが住む島。本土への船が来る日までを島で過ごす彼女は、やがてこの島に漂う不吉な影に気づきはじめる。
ここには何か忌まわしい過去がある。そして若き日の祖母の手記にも謎の「魔王」の影が……。

読めば読むほど深まる謎また謎。曲折しながら突進する行先不明のストーリー。反則スレスレの大驚愕。

ーーこの種の不敵なミステリーの名産地といえばフランス。そこから新たな鬼才が登場しました。不吉なイメージの乱舞と恐ろしい出来事の連打の中に編み込まれた幾重もの罠! 

第11位 「異常」/ エルヴェ・ル・テリエ

あらすじ
殺し屋、ポップスター、売れない作家、軍人の妻、がんを告知された男……なんのつながりもない人びとが、ある飛行機に同乗したことで、運命を共にする。

飛行機は未曾有の巨大乱気流に遭遇し、乗客は奇跡的に生還したかに見えたがーー。ゴンクール賞受賞作

第12位 「辮髪のシャーロック・ホームズ 神探福邇の事件簿」/ 莫理斯(トレヴァー・モリス)

あらすじ
19世紀の偉大なる名探偵シャーロック・ホームズがもし、ビクトリア朝時代の英国人ではなく、清末の時代に生きた中国人だったとしたら……。
そして、彼が奇妙な事件を次々に解決したのが大英帝国の首都ロンドンではなく、東の果ての植民地香港だったら……。

ホームズとワトソンを彼らとまったく同じ時代に生きた中国人、福邇(フー・アル)と華笙(ホア・ション)とし、物語の舞台を香港にした極上のパスティーシュ作品。
正典ホームズ・シリーズからの換骨奪胎ぶりが絶妙だ。

1880年代の香港の様子が生き生きと描かれ、ミステリーであると同時に、歴史小説としても読み応え十分。

第13位 「窓辺の愛書家」/ エリー・グリフィス

あらすじ
本好きの老婦人ペギーが死んだ。彼女は「殺人コンサルタント」を名乗り、数多くの推理作家の執筆に協力していた。
死因は心臓発作だが、介護士のナタルカは不審に思い、刑事ハービンダーに相談しつつ友人二人と真相を探りはじめる。

だがペギーの部屋を調べていると、覆面の人物が銃を手に入ってきて、ある推理小説を奪って消えた。
謎の人物は誰で、なぜそんな行動を? 『見知らぬ人』の著者が本や出版をテーマに描く傑作謎解きミステリ。

第14位 「ギャンブラーが多すぎる」/ ドナルド・E・ウェストレイク

あらすじ
タクシー運転手チェットは大のギャンブル好き。
客から入手した競馬の裏情報が的中し、配当金を受け取りにノミ屋のトミーを訪ねるが、彼は撃ち殺されていた。

容疑者にされたうえ二つのギャング組織から追われることになったチェットは、トミーの妹と組んで真犯人を探すことになる。
手に汗握る脱出劇、ロマンス、全員集合の大騒動に犯人当て。
1960年代のNYムード満載、巨匠による幻の逸品。

第15位 「ブラックサマーの殺人」/ M・W・クレイヴン

ワシントン・ポーシリーズの2巻目になります。

サイコパスVSポーの対決です。数年前に亡くなったはずの娘が生きて帰ってくるところから事件はスタートします。
血液検査の結果は正。亡くなったはずなのになぜ?

ハラハラする展開が非常に面白くて、最後まで見逃せない作品です。

シリーズ一覧は以下でご紹介しています。

ワシントン・ポーシリーズ(M.W.クレイヴン)の読む順番一覧|英国ミステリーの最強作【新刊】
ワシントン・ポーシリーズ(M.W.クレイヴン)の読む順番一覧|英国ミステリーの最強作【新刊】

あらすじ
かつて刑事ポーによって一人の男が刑務所送りにされた――カリスマシェフとして名声を誇ったジャレド・キートン。 彼は娘のエリザベスを殺した罪に問われたのだ。だが六年後のいま、その娘が生きて姿を現した!

キートンは無実なのか?
あらゆる証拠が冤罪を示し、窮地に立たされたポーを助けるべく、分析官のブラッドショーが立ち上がる。
強烈な展開が読者を驚倒させる、英国ミステリ・シリーズの第二作。

第16位 「ガラスの顔」/ フランシス・ハーディング

あらすじ
地下都市カヴェルナの人々は表情をもたない。彼らは《面》と呼ばれる作られた表情を教わるのだ。
そんなカヴェルナに住むチーズ造りの親方に拾われた少女はネヴァフェルと名づけられ、一瞬たりともじっとしていられない好奇心のかたまりのような少女に育つ。

ある日親方のトンネルを抜け出た彼女は、カヴェルナ全体を揺るがす陰謀のただ中に放り込まれ……。
『嘘の木』の著者が描く健気な少女の冒険ファンタジイ。カーネギー賞候補作。

第17位 「プロジェクト・ヘイル・メアリー(上下)」/ アンディ ウィアー

あらすじ
大ヒット映画「オデッセイ」のアンディ・ウィアー最新作。映画化決定!
未知の物質によって太陽に異常が発生、地球が氷河期に突入しつつある世界。

謎を解くべく宇宙へ飛び立った男は、ただ一人人類を救うミッションに挑む! 『火星の人』で火星でのサバイバルを描いたウィアーが、地球滅亡の危機を描く極限のエンターテインメント

第18位 「聖霊たちの迷宮(上下)」/ カルロス・ルイス・サフォン

あらすじ
1959年、マドリード。
捜査員のアリシアは、ある日突然失踪した大臣バルスの捜索依頼を受け、彼の私邸を訪れた。

そこで引き出しに隠された一冊の本を発見する。
『精霊たちの迷宮』──関わる者はみな不幸な運命を辿るというその本を手がかりに、アリシアは作家の過去に隠されたある悲劇と巨大な陰謀へと迫っていく。幻想と秘密、誘惑と罠に満ちたゴシック・ミステリーの最高傑作、ついに開幕!

第19位 「夜のエレベーター」/ フレデリック・ダール

あらすじ
「ぼく」は6年ぶりにパリへ帰ってきた。ともに暮らしていたママが死んでしまい、からっぽのアパートは孤独を深めるだけだった。
だが今日はクリスマス・イヴ。にぎわう街の憧れの店へ食事に入ると、小さな娘を連れた美しい女性に出会う。

かつて愛した運命の人に似た、若い母親に……彼女が思いもかけないドラマへと「ぼく」を導いていく! 「戦後フランス・ミステリー界最高の人気作家」と称されるフレデリック・ダールが贈る、まさに予測不能、謎と驚きに満ちた名品。

第20位 「ポリス・アット・ザ・ステーション」/ エイドリアン・マッキンティ

あらすじ
キャリックファーガスの団地で麻薬密売人の男が射殺された。
自警団の犯行として捜査が行われるが、ショーン・ダフィ警部補は、事件がそう単純なものではないことを直感する。

事件当夜に被害者と会っていた不審な男、何かを隠す被害者の妻……。
さらに捜査中、ショーンは何者かに命を狙われてしまう。

そして事件は北アイルランドの闇へとつながっていき――現代警察小説の新たな地平を拓くシリーズ第六弾。

21位以下の作品や、著名作家による選評については以下を読んでくださいね。




まとめ

いかがでしたでしょうか。
基本的に海外作品を読むことが多い私ですが、今回ランクインした作品はどれも力作のものばかりでした。
ぶっちゃけて言うなら、個人的な好みで国内は「地図と拳」、海外は「優等生は探偵に向かない」だったりします。

各作品の批評などはぜひ以下の本誌を読んでいただいて、いろいろな作品に挑戦してみてください!

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