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新しい星(彩瀬まる)のあらすじと感想|2021年の直木賞候補作

新しい星(彩瀬まる)のあらすじと感想|2021年の直木賞候補作

「新しい星」(彩瀬まる)とは

「新しい星」とは、著者の彩瀬まるが執筆した4人の男女のリアルな生き様を描いた小説です。
こちらの作品は、2021年の後期に直木賞候補作としても挙げられた作品です。

彩瀬まるさんといえば、「骨を彩る」、「くちなし」などの名作で有名な作家です。

今回は「新しい星」の感想を語っていきます!

「新しい星」(彩瀬まる)のあらすじと登場人物

あらすじ
幸せな恋愛、結婚だった。これからも幸せな出産、子育てが続く……はずだった。
順風満帆に「普通」の幸福を謳歌していた森崎青子に訪れた思いがけない転機――
娘の死から、彼女の人生は暗転した。離婚、職場での理不尽、「普通」からはみ出した者への周囲の無理解。
「再生」を期し、もがけばもがくほど、亡くした者への愛は溢れ、「普通」は遠ざかり……。(表題作「新しい星」)

美しく、静謐に佇む物語
気鋭の作家が放つ、新たな代表作!

本作は、コロナのような病疫が広がる現代を舞台に、4人の男女が自分の人生を模索していく8つの連作短編集です。
冒頭は「新しい星」という表題作、で子供をなくした一人の母親”青子”が、子供が亡くなった後の生活をどう過ごしているかを丁寧に描いていきます。

その後の話では、青子の大学の同級生たちが登場し、青子を含めた彼・彼女らが必死に生きていく様子が描かれていく物語が続きます。

基本的にどんな年齢の方でも読めると思いますが、どちらかというと20代〜40代の方には心に刺さるんじゃないかなという内容です。

登場人物

森崎青子:30代の女性。塾で音楽の講師をしている。3年前に子供も亡くした。

安堂玄也:30代の男性。仕事によって体調を崩し、実家で暮らしている。

花田卓馬:30代の男性。二人の子供を持つ父親。

大橋茅乃:30代の女性。一人の娘を持つ母親。乳がんになる。

「新しい星」(彩瀬まる)の感想

非常に良い作品でした。
私は物心ついてからミステリー小説ばっかり読んでる人間ですが、久しぶりにエンタメ小説で良い作品と出会って少し感動してしまいました。

この作品のすごいところは、まず2019年から起こったコロナ情勢をそのまま物語設定として使っていて、そのリアルさと人間の背景描写の深さが非常にリアルなところです。
読んでる人が思わず感情移入してしまうほどのリアルさでした。
4人の視点が物語ごとに入れ替わる感じですが、誰一人として同じ人間はいません。共通する部分を持つ人間はいますが、考えや感じ方が違うのであればそれはそれでいい、としてくれるような考え方がよかったです。

物語はぜんぶで8つあります。

・新しい星
・海のかけら
・蝶々ふわり
・温まるロボット
・サタデイ・ドライブ
・月がふたつ
・ひとやすみ
・ぼくの銀河

どの話も非常に共感でき、同時に読んでいて辛く切ない気持ちが湧き上がってきますが、読了後はどこか涼やかな気持ちになれる不思議な気分でした。
個人的に共感度高かったのが、玄也というキャラで私が当時思っていたことがそのまま描かれていて、びっくりしました。以下、よかった話を挙げます。

海のかけら

主人公は安堂玄也という、30代男性です。青子の大学の同級生で、同じ合気道部に所属していた部員です。
彼は20代の会社員時代に職場でいろんなことがあって体調を崩し、家に引きこもっていました。

「海のかけら」はそんな彼の日常を描いた話なんですが、非常に共感できました。
途中で彼が青子から久しぶりに連絡が来た時、「誰にも気づかれないようにしていたのに、見つかってしまった。…」などという心情が描かれていて共感しかありませんでした。
どこかのタイミングで他人と関わるのが疲れてしまった時、誰とも関わりたくない、自分に対しても何かを思われるのが嫌だ、なんてことを考えると思いますが、その時の心情の書き方が非常に上手かったです。

どうしてこんなに共感できるんだろうな、と思ったんですが恐らく、言葉の選び方が絶妙なんだろうなと思いました。

ぼくの銀河

玄也のその後の日常が描かれている、最後の話です。
彼は少しだけ社会復帰ができていて、アルバイトを始めるまで調子が良くなっていました。
読んでいて彼はすごいなとちょっぴり感動してしまったのですが、同僚の関さんという50代の男性がレジで困っているところを玄也が助けるシーンがありました。

関さんは焦ると小銭が数えられなくなるという状態があるようで、緊張すると頭が真っ白になる瞬間あるよなと共感しながら読みました。
私も仕事でチームミーティングしてるとき、上に詰められて頭が真っ白になって何も答えられなかった頃がありました。
落ち着けばいくらでも答えが思いつくんですが、一回ああなったらトラウマで不安が芽生えちゃうんだろうなと。

その後、玄也は茅乃のお墓参りをしに行ったら、先客で茅乃の娘と出会した場面がありました。
二人の会話に思わずうるっときてしまったのですが、人間の心情を描くのが上手いなと思いました。こういった部分は人の心を理解してないと書けないと思うので、言葉に変換するのが上手いのはさすが作家さんだなと思います。

まとめ

他の作品と違って、山あり谷ありの展開やオチがある作品ではないのですが、こういった現代に沿ったリアルな人間の物語は、読んでいて感じ入ります。
自分の中に消化されない、言葉に表せない気持ちはこういった作品でハッと気付かされて学んでいくような気がします。

同じ状況にならないとそのキャラクターと同じ心情が持てないと思いますが、丁寧でわかりやすい言葉の運び方でとても理解がしやすく読みやすかったです。

ぜひこちらの良作品を読んでみてください。

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