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ベローナ・クラブの不愉快な事件(ドロシー・L・セイヤーズ)のあらすじと感想

ベローナ・クラブの不愉快な事件(ドロシー・L・セイヤーズ)のあらすじと感想

ベローナ・クラブの不愉快な事件(ドロシー・L・セイヤーズ)とは

「ベローナ・クラブの不愉快な事件」とは著者のドロシー・L・セイヤーズが1928年に出版した、ピーター卿シリーズの4巻目です。
どうやら著者セイヤーズの前期の最終作品だそうで、今までと違って事件は中盤から発覚します。
今回は「ベローナ・クラブの不愉快な事件」について感想を語っていきます。

ピーター卿シリーズについて

ピーター卿シリーズの読む順番については、以下でご紹介しています。ご興味ある方はぜひご覧ください!

ピーター卿シリーズ(ドロシー・L・セイヤーズ)の読む順番をご紹介! ピーター卿シリーズ(ドロシー・L・セイヤーズ)の読む順番をご紹介!

「ベローナ・クラブの不愉快な事件」のあらすじと登場人物

あらすじ
休戦記念日の晩、ベローナ・クラブで古参会員の老将軍が頓死した。

彼には資産家となった妹がおり、兄が自分より長生きしたなら遺産の大部分を兄に遺し、逆の場合には被後見人の娘に大半を渡すという遺言を作っていた。

だが、その彼女が偶然同じ朝に亡くなっていたことから、将軍の死亡時刻を決定する必要が生じ……? ピーター卿第四弾。

今回は、ピーター卿が通っているペローナクラブで、知り合いの将軍が死んでいることが発覚しました。
遺産の関係上、将軍が死んだ時間が知りたいと事務弁護士のマーブルズに調査を依頼され、周辺人物に聞き込みを開始します。

ややこしいことに将軍が死んだ同じ日に将軍の妹も亡くなられ、遺産がどちらに相続されるのかで議論が勃発していました。
遺産相続の条件として、将軍と将軍の妹、どちらかが長く生きたかによって遺産が多くもらえるというものです。

金の話はいつの時代も争いの火種ですが、今回の事件もしょうもない始まりでちょっと笑ってしまいました。
さて、二人のどちらが先に亡くなられていたでしょうか?

登場人物

ピーター・ウィムジイ卿:貴族探偵

マーヴィン・バンター:ピーター卿の従僕

ジョージ・フェンティマン大尉:ピーター卿の友人

シーラ・フェンティマン:ジョージの妻

ロバート・フェンティマン少佐:ジョージの兄

アーサー・フェンティマン将軍:ジョージの祖父

ウッドワード:フェンティマン将軍の従僕

レディ・フェリシティ・ドーマー:アーサーの妹

アン・ドーランド:レディ・ドーマーの被後見人

ブリッチャード:レディ・ドーマーの事務弁護士

ウォルター・ベンバシィ:医師

カリヤー大尉:ペローナ・クラブの幹事

ウェザリッジ:ペローナ・クラブの不平屋

ウェザリッジ:ピーター卿の友人。彫刻家

オリヴァー:?

マーブルズ:事務弁護士
チャールズ・パーカー:スコットランド・ヤードの警部

「ベローナ・クラブの不愉快な事件」の感想(ネタバレあり)

今作はちょっと珍しい物語展開の作品でした。
今まで読んできたミステリー作品って、基本的に導入→事件が起きる→調査する→謎を解き、犯人を見つける、みたいな流れが多かったのですが、今回は中盤まで事件は起こりません。

最初にピーター卿が所属するベローナ・クラブで、アーサー・フェンティマン将軍という老人が椅子の上で亡くなっているのを発見します。
その後マーブルズという弁護士に「将軍がいつ亡くなったのかを調べてほしい」と言われ、ピーター卿が調査を始めます。

始めはただ死亡推定時刻を調べるだけでしたが、いくら周辺の人たちに聞き込みをしても将軍がクラブに来た時間がわかりません。
結局いろんな調査を経て、墓を掘り起こすことになったのですが、将軍の死体を調べ直して見ると身体が毒に侵されていることがわかりました。

毒殺されたということがわかった時点で、ただの死亡ではなく殺人事件として取り扱われることになり、刑事のパーカーと一緒にピーター卿は調査を始めます。

ここまでが物語の中盤なんですが、ピーター卿の調査の過程が面白かったです。
たぶん普通だったら退屈してしまいますが、周辺人物たちの駆け引きが面白く、将軍家の遺産が誰のものになるのかが気になったので読み応えがありました。

殺人事件となった後、誰が将軍に毒を持ったか調査を始めるのですが、殺人事件となれば犯人と犯行は大体察してきます。
著者は上手いこと別の人間を疑うように読者を誘導していましたが、こればっかりは読んでいてわかりやすかったです。

結局犯人は中々のクズだったのですが、アン・ドーランドの印象が悪すぎて良くなかったです。
これは無理やりすぎというか、結局ロバートとくっついたのもよくわからなかったです。嫌悪の仲じゃなかったのかと…

犯人のラストについて

西欧の文化だからか、犯人のラストがいまいち微妙でした。
犯人に行動させるピーター卿たちの決断がいまいちわからず、結局自己判断で裁いたことになったのが納得いかないです。
犯行の詳細を記録させたのなら、それを自白として警察に提出すればいいのに何故そうしなかったのでしょうか。
これも西欧というか元軍人たるプライドみたいなものですかね。犯罪にプライドも何もあったもんじゃないと思うのですが。

この時代の女性扱いについて

今作は所々に男性の、女性への扱いについて如実に書かれています。
例えば、ジョージ夫妻など。ジョージが精神的に狂っている場面では、妻に当たり散らかします。
夫婦の仲なのである程度はそういうものだと思いますが、妻が働きに出るのが嫌、妻に養われているのが嫌、などこの時代における男性の考え方が読み取れます。
また、ピーター卿も女性に対して良くないことを言ってたりするので、彼も男性が女性より上の立場と思ってる人か〜と思いました。そこは好きじゃないです。

今でこそ考え方も変わってきたと思いますが、当時の女性は息苦しい場面もあったんじゃないかなと思います。
先程も言いましたが、アン・ドーランドに対しての描写が所々悪かったので、途中で彼女が可哀想になりました。(事件の最重要人物なのに後半しか出てない上に悪口言われてる!)

さすがに著者が創作上必要な要素だと思って書いたのだと思いますが、彼女の容姿に注目して知的さの描写は数少なかったので、もっと出してくれれば印象が変わったのになと思いました。

まとめ

今作は著者の前期作品の最後らしいのですが、色々挑戦したような感じの作品に見受けられました。
色々書きましたが、総合的には面白かったので全然良かったです。個人的にキャラとして好きじゃなかっただけです。

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